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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第2節 団体別の検査結果 |
  • 第50 独立行政法人中小企業基盤整備機構 |
  • 平成24年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

独立行政法人中小企業基盤整備機構による地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)融資事業等で造成された基金の見直しについて


平成24年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「機構」という。)は、平成19年度から地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)融資事業等として、中小企業の経営の革新を支援するなどの助成事業(以下「ファンド事業」という。)の財源となる基金を造成する44都道府県に対して、その資金の一部を償還期限を10年以内として無利子で貸し付けている。しかし、基金の規模がファンド事業の実績に見合っていない基金が見受けられる状況となっているのに、機構において、ファンド事業を実施した期間の運用益等の収入の累計額及び同期間の助成金等の支出の累計額等を用いた収支の状況を適切に把握しておらず(以下、上記の運用益等の累計額を助成金等の累計額等で除した割合を「収支割合」という。)、44都道府県がファンド事業の規模を踏まえて基金の規模を見直していないなどの事態が見受けられた。

したがって、機構において、44都道府県に対して、都道府県は一定事業年度ごとにファンド事業の実績を踏まえて基金の規模を見直すこととされていることなどについて周知徹底を図ったり、基金造成から5年を目途に基金の見直しを行うよう助言したり、必要とされる基金の規模を把握するための指標を設定した上で同指標の状況について毎年度報告させたり、44都道府県が基金の規模を見直すべきかを判断するために参考となる情報を提示したりするよう、独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長に対して25年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、機構本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

  • ア 25年11月に44都道府県に対して通知を発して、機構が資金の貸付けに関する細則で規定している、都道府県が一定事業年度ごとにファンド事業の実績を踏まえて基金の規模を見直したり、必要があるときは基金を造成している運営管理法人を指導したり、貸付金の一部繰上償還により適正な基金の規模に圧縮したりするなどの必要な措置を執ることについて周知徹底を図った。
  • イ アの通知に基づき、基金造成から5年を目途に基金の見直しを行うよう助言した。
  • ウ 26年4月に44都道府県に対して通知を発して、ファンド事業を実施した期間に係る収支割合を新たな指標として設定するとともに、これを記載事項に加えた新たな様式の実績報告書により毎年度報告させることとした。
  • エ アの通知に基づき、基金の規模を見直すべきかを判断するために参考となる情報として、全基金の応募倍率、次年度以降に支払を見込んでいない額を用いた繰越比率等の情報提示を行い、さらに、都道府県等の担当者の会議等を通して、当該見直しの結果等の情報共有を図った。