独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)は、都市基盤整備公団等から承継した都市整備事業等をニュータウン整備事業として実施しており、平成25年度までに工事を完了し、30年度までに土地の供給・処分完了に向けた取組を推進することとされている。しかし、造成工事に着手できない地区があり25年度までに工事を完了できないおそれがあったり、機構が設立される以前から処分ができていないなどの長期未処分地があり事業効果が発現していなかったり、仕掛不動産勘定等に係る土地の時価の算定に当たり個別の要因が勘案されておらず地区によっては簿価を下回っている可能性があったり、宅地造成等経過勘定の繰越欠損金について将来発現するおそれのある様々なリスクを勘案した解消方策を明確にしていなかったりしている事態が見受けられた。
したがって、機構において、工事完了までの工程を明確に定めて区域の縮小等について関係機関等との協議等を十分に行ったり、長期未処分地の需要を喚起するための方策等を検討した上でこれまで以上に地方公共団体等の協力を得るよう努めたり、土地の時価を算定する際の精度の向上に向けた取組を行ったり、宅地造成等経過勘定の繰越欠損金の解消方策を検討したりするよう、独立行政法人都市再生機構理事長に対して24年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、機構本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。