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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 農林水産省|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(7)追加的信用供与補助事業について


平成25年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

農林水産省は、平成19年度から、地域農業の担い手の育成や確保を図るなどのために、市町村が策定した経営体育成支援計画等に基づいた融資が円滑に行われるように、経営体育成支援事業実施要綱(以下「実施要綱」という。)等に基づき、追加的信用供与補助事業(以下「事業」という。)を実施している。事業は、市町村等を経由して、当該融資に係る保証を引き受けた農業信用基金協会(以下「協会」という。)に対して、当該融資について債務不履行に陥った農業者等に代わって実施する融資機関への債務の弁済(以下「代位弁済」という。)及び当該農業者等に対する求償権の償却に伴う費用の補填に充てるための経費の助成を行うものである(以下、農林水産省が協会に対する助成を行うために市町村等に交付している補助金を「補助金」といい、市町村等が協会に対して助成している助成金を「助成金」という。25年度までの助成金交付先は33協会)。しかし、農林水産省において、事業が開始されてから相当期間が経過し、当該融資における債務不履行がほとんど発生していないにもかかわらず、協会における代位弁済の発生状況等を補助金交付額の算定に反映させる検討を行っていなかったり、33協会のうち20協会において、各協会が保証している債務の全てが不履行となり全額を代位弁済するとした場合において各協会が負担することとなる額(以下「協会の最大負担額」という。)を上回る助成金を保有していて、助成金に係る補助金が効果的に活用されていなかったりしている事態が見受けられた。

したがって、農林水産省において、補助金の算定方法について、代位弁済の発生状況等を十分に踏まえて見直したり、協会の最大負担額を上回る額の助成金を保有している協会に対して、当該上回る額に係る補助金を適時適切に国庫に返還させたりするよう、農林水産大臣に対して26年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 27年2月及び4月に実施要綱を改正して、補助金の算定方法について、代位弁済の発生状況等を踏まえて見直しを行った。

イ 27年4月に実施要綱を改正して、活用される見込みのない助成金に係る補助金の返還に関する規定を新たに設けて、補助金を適時適切に国庫に返還させることとした。そして、26年度末時点において協会の最大負担額を上回る額の助成金を保有していた協会に対して、当該上回る額に係る補助金を27年9月末までに国庫に返還させた。