平成26年度決算検査報告
（平成24年度決算検査報告参照）
（平成25年度決算検査報告参照）
経済産業省は、地域中小企業の海外販路の拡大を図ることなどを目的として、海外での展示会等に出展等する補助事業者又は受託事業者である本邦企業等（以下「事業者」という。）に対して補助金を交付し又は委託費を支払っている。そして、展示会等に係る会場の賃借等の海外で行われる調達には一般に現地国の付加価値税が課税されているが、一旦支払った付加価値税の還付等を受けられる場合がある。しかし、補助金交付要綱等及び委託事業の契約書等に事業者が還付を受けた付加価値税から手数料等の経費を差し引くなどした額（以下「還付額」という。）の取扱いが定められていないことなどから、事業者が付加価値税の還付を受けているのに還付額に係る国費相当額を国庫に納付していなかったり、付加価値税の還付等を受けられる可能性が高いのに還付手続を行っていなかったりなどしている事態が見受けられた。
したがって、経済産業省において、付加価値税の還付を受けているのに国庫に納付されていない還付額に係る国費相当額の国庫納付について事業者と協議を行ったり、付加価値税の還付に係る取扱い等を定めたり、関係部局及び事業者に対して付加価値税の還付制度等を周知したりなどするよう、経済産業大臣に対して平成25年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、経済産業本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、経済産業省は、本院指摘の趣旨に沿い、補助事業及び委託事業に関して、展示会事業に係る付加価値税のうち還付を受けているのに国庫に納付されていない還付額に係る国費相当額の国庫納付について事業者と協議を行ったり、補助事業に関して26年3月に、委託事業に関して27年6月にそれぞれ関係部局に対して事務連絡を発して、展示会事業に係る付加価値税の還付を受けた場合は、還付額に係る国費相当額を国庫に納付させることなどを補助金交付要綱等及び委託事業の仕様書等に定めたり、関係部局及び事業者に対して付加価値税の還付制度等を周知したりするなどの処置を講じていた。