資源エネルギー庁は、平成23年度から、全国石油商業組合連合会を通じて、離島の消費者に対して本土に比べて高額なガソリン小売価格の値引きを行う事業を実施する揮発油販売業者等に当該経費を助成する離島ガソリン流通コスト支援事業を実施しており、助成額については、揮発油販売業者等が値引きしたガソリンの販売数量に、離島までの輸送の形態等に応じて離島ごとに設定した補助金額の単価(以下「補助単価」という。)を乗じて算出することとしている。しかし、実際の輸送条件が同一でない離島に同一の補助単価が設定されていたり、離島の住民等に対するガソリン小売価格から算出される各離島における平均価格(以下「離島価格」という。)が距離や航路等からみて当該離島に経済的に影響があると考えられる本土地域のガソリン小売価格(以下「本土価格」という。)を下回っているのに補助単価の見直しが行われていなかったりなどしていて、同事業の実施後も離島価格が本土価格を大きく上回っている離島がある一方、離島価格が本土価格を下回っている離島が多数ある事態が見受けられた。
したがって、資源エネルギー庁において、離島価格が本土価格を継続的に下回っている離島が多数見受けられるなどの場合には、ガソリンの輸送費を調査するなどして、補助単価の見直しの要否を検討し、実態に即した補助単価の見直しを行うよう、資源エネルギー庁長官に対して26年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、資源エネルギー庁において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、資源エネルギー庁は、本院指摘の趣旨に沿い、26年度に離島におけるガソリンの輸送費等の実態を把握するための調査を行っており、実態に即した補助単価の見直しについて、その調査結果を踏まえた検討を行っている。