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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 国土交通省|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(9)調節池等の維持管理について


平成25年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

国土交通省は、河川法(昭和39年法律第167号)等に基づき、洪水等による災害の発生を防止するための総合的な治水対策の一環として、調節池や流域貯留浸透施設(以下、これらの施設を合わせて「調節池等」という。)を、調節池整備事業や流域貯留浸透事業として国庫補助事業等により整備している。そして、調節池等の維持管理について、河川管理者である都道府県及び政令市並びに流域の市区町村(以下「都道府県等」という。)は、同省の通達等に基づき、管理マニュアルを整備し、これを各施設に適用して、適切な維持管理を行うことなどとなっている。しかし、都道府県等が管理マニュアルを整備していないなどのため、点検の有無が不明となっているなどしていて適切な維持管理が行われていなかったり、学校等の公共施設等の管理者が都道府県等と協議を行うことなく流域貯留浸透施設に公共施設等を増築するなどしていて適切な維持管理が行われていなかったりしている事態が見受けられた。

したがって、国土交通省において、都道府県等に対して、調節池等に係る管理マニュアルを整備してこれに基づく適切な維持管理を行うことを周知徹底するとともに、地方整備局等が都道府県等の維持管理の状況を把握したり、都道府県等に対して、公共施設等の管理者が流域貯留浸透施設に公共施設等の増築等を行う場合には、事前に十分協議を行うなど適切な維持管理を行うことを周知徹底したりするよう、国土交通大臣に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、26年9月及び10月に地方整備局等に対して事務連絡を発するなどして、次のような処置を講じていた。

ア 都道府県等に対して、調節池等に係る管理マニュアルを整備してこれに基づく適切な維持管理を行うことを周知徹底するとともに、地方整備局等が都道府県等から維持管理の状況について報告を受けることにより点検の実施状況等を把握した。

イ 都道府県等に対して、公共施設等の管理者と公共施設等の増築等の情報の共有化を図ることなどを定めた管理マニュアルを整備して、公共施設等の管理者が流域貯留浸透施設に公共施設等の増築等を行う場合には、事前に十分協議を行うなど適切な維持管理を行うことを周知徹底した。