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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 防衛省|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(5)住宅防音事業における契約手続等の公正性等の確保について


平成25年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

防衛省は、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」(昭和49年法律第101号)等に基づき、防衛大臣が指定する飛行場等の周辺区域において、当該区域に指定される以前から所在する住宅の所有者等が住宅に遮音機能等を付加するための防音工事等を実施する場合に、その費用を補助する住宅防音事業を実施している。そして、同事業における契約手続等の公正性、透明性、競争性等を確保させるために、住宅の所有者等である補助事業者に対して、交付決定額及び予定価格を提示せずに見積書を徴取した上で工事業者との請負契約(以下「工事契約」という。)等を締結すること、共同住宅の複数世帯に係る防音工事を同一時期に発注する場合において原則として競争入札又は複数の工事業者からの見積書の徴取(以下「複数見積徴取等」という。)を実施した上で工事契約を締結することなどを求めている。また、これらの事務手続に不慣れな補助事業者を支援する業務(以下「支援業務」という。)を外部業者に委託している(以下、支援業務に係る委託の契約を「支援契約」という。)。しかし、防音工事について、工事契約の金額等が公正に決定されているかの確認等が行われていなかったり、補助事業者に対して共同住宅の複数世帯に係る防音工事を同一時期に発注する場合に求めている複数見積徴取等の実施が徹底されていなかったり、最低制限価格の設定状況等の具体的な確認が行われていなかったり、工事業者と過去に人事面において関連があると疑われる者に支援業務を実施させていたりするなどの事態が見受けられた。

したがって、防衛省において、契約手続の実施手順等を具体的に明示するなどした上で補助事業者に対する説明を徹底したり、補助事業者から見積書を提出させるなどして工事契約の金額等の決定過程を確認したり、また、補助事業者に複数見積徴取等を実施させた上で工事契約を締結させるために支援業務の一つとして複数見積徴取等に係る業務を加えるなどの支援体制を整備したり、補助事業者が工事契約の入札の際に最低制限価格を設定している場合に工事契約の金額等の決定過程及び妥当性を確認する体制を整備したり、さらに、支援契約に係る入札参加資格を見直したり、入札参加資格を確認する体制を強化したりするよう、防衛大臣に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、防衛省内部部局、各地方防衛局等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、27年1月に支援業務の実施要項を制定するなどして、次のような処置を講じていた。

ア 補助事業者に対して契約手続の実施手順等を具体的に明示した説明資料を用いて説明することを支援業務に追加したり、補助事業者から見積書等を提出させるようにして、防音工事に係る工事契約の金額等の決定過程を確認したりすることとした。

イ 共同住宅の複数世帯に係る防音工事を同一時期に発注する場合において、補助事業者から複数の工事業者からの見積書等を提出させることを支援業務に追加して支援体制を整備したり、補助事業者が最低制限価格を設定している場合に、その必要性や妥当性に関して、様式を定めて設定理由等を把握するなどの工事契約の金額等の決定過程及び妥当性を確認する体制を整備したりした。

ウ 過去に資本又は人事面において関連がある者でないことなどを支援契約に係る入札に参加する者に必要な資格として追加するとともに、入札に参加する者に当該資格を確認できる書類を提出させるようにして入札参加資格を確認する体制を強化した。