四国旅客鉄道株式会社(以下「会社」という。)は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」等(以下「技術基準」という。)に基づき、鉄道施設の維持管理を図るために、軌道に係る軌道変位検査及び補修工事を実施することとしている。しかし、軌道の維持管理について、軌道変位検査及び補修工事が適切に実施されていない事態が見受けられた。
したがって、会社において、技術基準等を遵守して軌道変位検査及び補修工事を適切に実施することについて関係部署に周知徹底したり、軌道変位検査の対象箇所等を記録し管理するための管理台帳の具体的な運用方法を検討したり、補修期限内に補修工事を実施したか確認するための方策を検討したりするよう、四国旅客鉄道株式会社代表取締役社長に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、会社の本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、会社は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 26年10月に、関係部署に対して通知を発して、技術基準等を遵守して軌道変位検査及び補修工事を適切に実施するよう周知徹底するとともに、本社が軌道変位検査及び補修工事の実施状況に重点を置いた点検を行うこととした。
イ 27年3月に、関係部署に対して通知を発して、管理台帳を補足するために駅の構内配線図を利用した確認リストを新たに作成して、管理台帳と確認リストを基に軌道変位検査を行うこととした。
ウ 27年3月に、関係部署に対して通知を発して、補修工事の実施状況についての管理表を新たに作成して、補修期限内に補修工事を実施したか確認を行うこととした。