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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第5 法務省|
  • 平成26年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

刑事施設で生産している刑務官の制服に係る原材料の調達数量について


平成26年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

法務省は、刑務所及び少年刑務所(以下、これらを合わせて「刑事施設」という。)の一部である麓(ふもと)刑務所等7刑事施設を官服の生産施設に指定し、これらの施設は、官服のうち刑務官の通常勤務服(以下「制服」という。)である上衣、ズボン(厚手)(以下、これらを合わせて「上衣等」という。)、ズボン(薄手)、ワイシャツ(長袖型)及びワイシャツ(半袖型)等を生産している。また、法務本省は、毎年度、制服の生産計画数量を算定し、制服の生産事務の総括を行っている麓刑務所に生産を指示している。そして、制服の生産に必要な表地等の原材料について、翌年度の生産計画数量に制服1着当たりの生産に必要な原材料の使用数量を乗ずるなどして調達数量を算定して、一括調達を行い、麓刑務所へ管理換を行っている。しかし、原材料の調達数量の算定に当たり、麓刑務所に指示した過去の制服の生産計画数量に対する実際の生産状況を十分に確認しないまま生産計画数量を決定していて、原材料の在庫数量を考慮することなく、当該生産計画数量に基づいて原材料を調達している事態が見受けられた。このため、麓刑務所において、制服に係る原材料のうち上衣等の表地について、当面使用する見込みのない在庫を保有しているなどの状況となっていた。

したがって、法務省において、今後は、生産施設から制服に係る原材料の在庫数量、生産状況等を報告させ、生産状況を踏まえて制服の生産計画数量を算定するとともに、当該生産計画数量、生産施設における原材料の在庫数量等に基づき原材料の調達数量を算定するよう、法務大臣に対して平成27年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、法務本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、法務省は、本院指摘の趣旨に沿い、27年9月に事務連絡を発して、今後は、生産施設から制服に係る原材料の在庫数量及び生産状況を報告させ、当該生産状況を踏まえて制服の生産計画数量を算定するとともに、当該生産計画数量、生産施設における原材料の在庫数量等に基づき原材料の調達数量を算定することとした上で、28年度の制服の生産計画数量及び原材料の調達数量を28年7月までに算定する処置を講じていた。

なお、法務省は、必要となる制服の数量の全てを生産施設で生産することが難しい状況であることなどを踏まえて、28年度から、比較的縫製の難しい上衣等について新たに外注により生産することとして、その際に在庫として保有している前記上衣等の表地を使用することとした。