ページトップ
  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 経済産業省|
  • 平成26年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(2)コンテンツ緊急電子化事業により電子化された書籍について


平成26年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

経済産業省は、平成23、24両年度に、東北関連情報の発信、東日本大震災の被災地域(以下「被災地域」という。)における知へのアクセスの向上及び被災地域における新規事業の創出を促進して、持続的な復興及び振興や我が国全体の経済回復を図ることを目的として、電子書籍の流通の促進に適切な形式による書籍等の電子化等を行う事業(以下「コンテンツ緊急電子化事業」という。)を実施している。経済産業省は、一般社団法人日本出版インフラセンター(以下「センター」という。)を補助事業者として選定し、センターに対して事業を実施するための経費の一部として国庫補助金を交付している。しかし、経済産業省及びセンターは、電子化された書籍の配信状況について把握しておらず、出版社等が著作権者の許諾を得ていなかったり、出版社等が配信するための技術的な修正を完了していなかったりしたため、コンテンツ緊急電子化事業のうち書籍を電子化する作業が完了していても配信が可能な状態になっていない書籍が多数ある事態が見受けられた。

したがって、経済産業省において、コンテンツ緊急電子化事業により電子化された書籍について、配信状況が確認できていない電子化された書籍も含めて配信が可能な状態になっているか把握した上で、出版社等に著作権者の許諾を得るようにさせたり、出版社等において配信するための技術的な修正を完了させたりして、配信が可能な状態になるようにセンターに指示するよう、経済産業大臣に対して27年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、経済産業本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、経済産業省は、本院指摘の趣旨に沿い、27年8月及び28年3月にセンターに事務連絡を発して、コンテンツ緊急電子化事業により電子化された書籍の配信状況について、出版社等に対する調査を実施させて27年11月及び28年5月に報告を受けて、配信が可能な状態になっているか把握するとともに、配信が可能な状態になっていないものについて、出版社等に対して著作権者の許諾を得たり配信するための技術的な修正を完了したりするよう促して、配信が可能な状態になるよう指示する処置を講じていた。