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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 国土交通省|
  • 平成25年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

電線共同溝における無電柱化の効果について


平成25年度決算検査報告参照
平成26年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

国土交通省は、安全かつ円滑な交通の確保を図ることなどを目的として、電線を入溝する管路等を道路の地下に整備して無電柱化の推進を図る電線共同溝整備事業を、国道事務所等が事業主体となる直轄事業又は都道府県等が事業主体となる交付金等事業として実施している。そして、事業主体は、電線共同溝の整備完了後の占用の許可を申請した電気事業者、電気通信事業者等(以下、これらを合わせて「占用予定者」という。)の意見を聴いて、電線共同溝整備計画(以下「整備計画」という。)を策定することができることとなっており、整備計画を策定した場合には、整備計画に基づき整備を行わなければならないこととなっている。しかし、電線共同溝の整備が完了してから長期間経過しているのに無電柱化が完了していなかったり、占用予定の管路延べ延長に対する電線が入溝されていない管路延べ延長の割合が高かったりしていて、電線共同溝を整備した効果が発現していない事態が見受けられた。

したがって、国土交通省において、事業主体に対して、既に電線共同溝を整備した箇所における電線及び電柱の撤去を占用予定者等に働きかけることを周知したり、占用予定者の電柱の撤去予定時期を整備計画の策定時点で事業主体が把握してその進捗管理を行うなどの、無電柱化の効果を早期に発現させるための方策を検討してその結果を周知したり、地元関係者の実情を踏まえた整備計画の策定又は見直しをするなどして計画的な無電柱化の推進を図ることを周知したりするとともに、電線共同溝の整備前及び整備後において、将来の需要に応じて必要となる電線の条数及びその入溝状況を十分に把握してその実態を踏まえるなどして、整備する管路の必要条数を事業主体に決定させるための方策を検討し、その結果を周知するよう、国土交通大臣に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局の処置状況

本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、事業主体に対して、26年11月に通達を発して、占用予定者等に対して電線等を撤去するよう要請したり、27年8月に通達を発して、整備計画に電柱の撤去予定時期を記載することとしてその進捗管理の徹底を図るよう周知したり、地元関係者の実情を踏まえた整備計画の策定又は見直しをするなどして計画的な無電柱化の推進を図るよう周知したりする処置を講じていた。

一方、国土交通省は、27年1月以降、整備する管路の必要条数の決定に当たっての考え方について占用予定者と調整を継続しており、同年10月に完了した電線の入溝状況についての調査の結果を踏まえるなどして、整備する管路の必要条数の決定に当たっての考え方を速やかに決定し、その内容を事業主体に周知することとしている。