航空自衛隊は、平成18年度から、基地(分屯基地を含む。以下同じ。)において、大容量・高速のデータ通信を行う基地内光伝送路(以下「光伝送路」という。)の整備を実施していて、基地によっては複数回の契約により逐次整備を実施することにより性能を向上させるなどしている。物品管理法施行規則等によれば、物品管理官は、取得価格等が50万円以上の機械等(ただし、防衛省所管防衛用品の分類に属する機械等は300万円以上。以下「重要物品」という。)について、その性能を向上させた場合には、物品管理簿に記録された価格(以下「帳簿価格」という。)を改定することとされている。しかし、重要物品である光伝送路について、帳簿価格の改定等を適正に行っておらず、物品管理簿、重要物品の毎会計年度間における増減等を記入した資料である「物品増減及び現在額報告総括書」及び同内訳表が重要物品の増減等を正確に反映したものとなっていない事態が見受けられた。
したがって、防衛省航空幕僚長に対して27年10月に、次のとおり是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。
本院は、航空幕僚監部等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、航空自衛隊は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 補給本部は、27年8月に基地分任官に対して事務連絡を発して、光伝送路の適正な価格を示し、これを受けて基地分任官は、同年9月までに帳簿価格が適正になるよう改定等を行っていた。
イ 補給本部は、27年11月に光伝送路の帳簿価格の改定の処理方法等について定めた実施要領を作成して、補給本部等が基地ごとの価格を把握して基地分任官に示す態勢を整備するとともに、実施要領等を基地分任官に通知するなどして周知徹底した。