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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第14 防衛省|
  • 平成26年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(5)東日本大震災復興特別会計予算により取得した物品の管理について


平成26年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

防衛省は、東日本大震災により被災して使用することが困難になるなどした車両、通信機器等の代替物品等を東日本大震災復興特別会計(以下「復興特会」という。)の予算により取得している。物品管理法(昭和31年法律第113号)等によれば、各省各庁の長から物品の管理に関する事務の委任を受けた職員が、物品管理官等として物品管理簿を備えて、物品の増減等の異動数量、現在高その他物品の異動に関する事項等を記録することとされており、各省各庁の長は、毎会計年度末の物品管理簿の記録の内容に基づいて、物品増減及び現在額報告書(以下「物品報告書」という。)を作成することとされている。そして、物品報告書に基づいて作成された物品増減及び現在額総計算書により、毎会計年度間における物品の増減及び毎会計年度末における物品の現在額が国会に報告されている。しかし、陸上、海上、航空各自衛隊(以下「各自衛隊」という。)において、物品管理簿に一般会計予算により取得した物品と復興特会予算により取得した物品とを区別することなく記録していたため、物品管理簿の記録の内容に基づいて復興特会に係る物品報告書に記載すべき事項を明らかにした書類(以下「復興物品報告書類」という。)の基礎資料を作成することができない状況となっている事態が見受けられた。

したがって、防衛省内部部局において、復興特会予算により取得した物品の管理に関する事務は、防衛省所管物品管理取扱規則(以下「取扱規則」という。)に定める物品管理官等に委任する事務の範囲に含まれることを明確にして、各自衛隊等の物品管理官等に周知徹底したり、各自衛隊において、物品管理簿に一般会計予算により取得した物品と復興特会予算により取得した物品とを区別して記録する仕組みを設けるよう指導するとともに、復興物品報告書類の基礎資料は物品管理簿の記録の内容に基づいて作成する必要があることについて、各自衛隊の物品管理官等に周知徹底したりするよう、防衛大臣に対して平成27年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、防衛省内部部局等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 内部部局において、27年10月に取扱規則を改正して、復興特会予算により取得した物品の管理に関する事務は、取扱規則に定める物品管理官等に委任する事務の範囲に含まれることを明確にして、各自衛隊等の物品管理官等に周知徹底した。

イ 各自衛隊において、28年3月までに関連する実施要領等を改正して、物品管理簿に一般会計予算により取得した物品と復興特会予算により取得した物品とを区別して記録する仕組みを設けるとともに、これを各自衛隊の物品管理官等に通知して、復興物品報告書類の基礎資料は物品管理簿の記録の内容に基づいて作成する必要があることについて周知徹底した。