(平成25年度決算検査報告参照)
(平成26年度決算検査報告参照)
独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)は、賃貸住宅事業の保全工事に係る会計処理について、独立行政法人都市再生機構会計規程等を定めて、これに基づき会計処理を行っている。そして、一部の賃貸住宅を対象に、賃貸住宅団地の経営管理を行うために、保全工事の実施による損益等の推移等を検討した賃貸住宅団地ごとの事業計画(以下「団地別事業計画」という。)を策定している。しかし、保全工事に係る会計処理に当たり、除却した建物附属設備等、構築物及び機械装置(以下、これらを合わせて「設備等」という。)の機能を考慮しないまま工事費の資産計上及び費用処理(以下、これらを合わせて「資産計上等」という。)を実施している事態及びこのような資産計上等により算定された損益等に基づく団地別事業計画を踏まえて保全工事により取得する設備等に係る投資判断等を行っている事態が見受けられた。
したがって、機構において、除却した設備等の機能を考慮しないまま工事費の資産計上等を行っている保全工事については、適切な資産計上等が行えるよう工事費の範囲等を検討したり、この検討結果を踏まえた保全工事に係る会計処理に基づく損益等を団地別事業計画等に反映させた上で、これを踏まえて保全工事により取得する設備等に係る投資判断等を行うよう支社等に周知したりするよう、独立行政法人都市再生機構理事長に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、機構本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、27年6月から28年3月まで外部機関を活用して保全工事の仕様、積算内容等の分析及び調査を行い、その後、当該調査結果等を踏まえて、適切な資産計上等が行えるよう工事費の範囲等についての検討を進めている。そして、保全工事に係る会計処理に基づく損益等の団地別事業計画等への影響を検討することとして、これを踏まえて保全工事により取得する設備等に係る投資判断等を行うよう支社等に周知することとしている。