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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第61 大学共同利用機関法人自然科学研究機構|
  • 平成26年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

大学連携研究設備ネットワーク事業による研究設備の大学間相互利用の推進について


平成26年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

大学共同利用機関法人自然科学研究機構(以下「機構」という。)は、研究設備の有効利用を目指した全国的なネットワークの構築と維持の一環として、各国立大学法人等が所有する研究設備を、大学等の研究機関の枠を越えて他大学等の研究者等にも広く相互利用に供することを目的として、大学連携研究設備ネットワーク事業(以下「大学連携ネットワーク事業」という。)を実施している。大学連携ネットワーク事業では、各国立大学法人等が所有する研究設備のうち相互利用に供することができる研究設備を対象として、その予約管理等を行うために、大学連携研究設備ネットワーク予約・課金システム(以下「ネットワークシステム」という。)を運用したり、各国立大学法人が所有する老朽化した研究設備を修理し、又はその機能を向上させて復活再生させる事業(以下、「復活再生事業」といい、復活再生事業により復活再生させた研究設備を「復活再生設備」という。)を実施したりしている。しかし、各国立大学法人において相互利用に供するために自らのホームページ上で研究設備の情報を公開するなどの独自のシステム(以下「独自システム」という。)に登録されている研究設備のうち、ネットワークシステムに登録されている研究設備が少数にとどまっている事態及び大学連携ネットワーク事業の実施により復活再生させたにもかかわらず、ネットワークシステムを通じた相互利用が全く行われていない復活再生設備がその半数近くに上っている事態が見受けられた。

したがって、機構において、ネットワークシステムを通じた相互利用を推進するために、各国立大学法人において相互利用に供するために独自システムに登録されている研究設備の状況を調査して把握し、各国立大学法人に対して当該研究設備をネットワークシステムに登録するよう働きかけるとともに、復活再生設備の相互利用を推進するために、各国立大学法人に対して、復活再生事業の対象とする研究設備の選定基準を示したり、復活再生設備をネットワークシステムに登録するに当たり、利用者に提供すべき情報として、復活再生設備の詳細な仕様や機能等の具体的な内容を示したりするよう、大学共同利用機関法人自然科学研究機構長に対して平成27年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、機構において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 27年9月から28年1月にかけて、各国立大学法人に対して、相互利用に供するために独自システムに登録されている研究設備の状況を調査して把握し、当該研究設備をネットワークシステムに登録するよう働きかけた。

イ 27年12月に復活再生事業の対象とする研究設備の選定基準を示した公募要領及び審査基準を策定してこれを各国立大学法人に示すとともに、利用者に提供すべき情報として、復活再生事業により向上した設備の詳細な仕様や機能等の具体的な内容をネットワークシステムに掲載した。