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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成28年2月|

「社会資本整備総合交付金等による事業等の実施状況について」


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1)検査の観点及び着眼点

総合交付金は、前記のとおり、国土交通省所管の地方公共団体等向けの補助金を一括する形で22年度に創設されたもので、地方公共団体等自らが目標を設定した整備計画を作成して、これに基づき総合交付金の交付を受けて交付対象事業を実施し、自らが整備計画の目標の実現状況、今後の方針等について評価を実施する制度となっている。

また、基幹事業の効果を一層高めるソフト事業等として効果促進事業が実施できることになっているが、その内容は地方公共団体等の創意工夫に委ねられている。

会計検査院は、総合交付金について、毎年検査して、検査報告に不当事項や処置要求事項等を掲記しているところであるが、総合交付金の創設から5年が経過し、その間、前記のとおり毎年度多額の国費が投入されていることなどを踏まえ、社会資本整備総合交付金等による事業等(以下「社会資本整備総合交付金事業等」という。)の実施状況について、合規性、効率性、有効性等の観点から、次のような点に着眼して検査を実施した。

ア 整備計画の作成に当たり、地域住民等の意向等が反映されるようニーズ調査等が実施されているか、評価指標が適切に設定されているか、事前評価は適切に実施されているか、また、整備計画等は適切に公表されているか。

イ 効果促進事業は、基幹事業の効果を一層高めるために、基幹事業と一体的に実施されているか。

ウ 中間評価及び事後評価は適切に実施されているか、整備計画の目標の達成状況はどのようになっているか、また、中間評価及び事後評価の結果は適切に公表されているか。

(2)検査の対象及び方法

会計検査院は、22年度から26年度までの間において、914地方公共団体等(17都(注3)道府県、管内872市町村、23一部事務組合、1広域連合及び1地域住宅協議会)が実施した社会資本整備総合交付金事業等(これらに対して22年度から26年度までの間に交付された交付金交付額計6兆0605億(注4)余円)を対象として検査を実施した。

そして、国土交通本省及び17都道府県において、社会資本整備総合交付金事業等の実施状況について、関係資料の提出や説明を受けるなどして会計実地検査を行った。また、上記の914地方公共団体等から、これらの地方公共団体等が作成した2,828計画(注5)(計画額計25兆7198億余円)について、評価指標の設定、事後評価の内容等に係る調書の提出を受けるなどして、整備計画の作成状況、事前評価、中間評価及び事後評価の実施状況等について検査を実施した。

(注3)
17都道府県  東京都、北海道、大阪府、青森、埼玉、神奈川、新潟、長野、愛知、広島、山口、高知、福岡、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄各県
(注4)
完了実績報告書及び年度終了実績報告書を基に集計している。なお、完了実績報告書及び年度終了実績報告書は、整備計画ごとではなく、地方公共団体等ごとに作成することとなっている。
(注5)
計画額  整備計画に記載された交付対象事業の全体事業費)