社会資本整備総合交付金は、国土交通省所管の地方公共団体等向けの補助金を一括する形で平成22年度に創設されたもので、地方公共団体等自らが目標を設定した社会資本総合整備計画を作成して、これに基づき社会資本整備総合交付金の交付を受けて交付対象事業を実施し、自らが社会資本総合整備計画の目標の実現状況、今後の方針等について交付期間の終了後等に評価を実施する制度である。そして、これまでに毎年度多額の国費が投入されており、26年度の当初予算額をみても約2兆円と多額に上っている。
一方、社会資本整備総合交付金の創設から5年が経過したが、会計検査院は、これまで社会資本整備総合交付金について毎年検査を行ってきており、検査報告に不当事項や処置要求事項等を掲記しているところである。
本報告書は、以上のような状況等を踏まえて、社会資本整備総合交付金等による事業等の実施状況について検査を実施し、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。
平成28年2月
会計検査院
・本文及び表中の数値は、原則として、金額については表示単位未満を切り捨て、割合については表示単位未満を四捨五入している。
・上記のため、表中の数値を集計しても計が一致しないものがある。
・社会資本総合整備計画は、平成26年12月末現在で事業中のもの及び交付期間が終了しているものを対象にしている。
・「整備計画等の公表」は平成26年12月末現在、「中間評価及び事後評価の実施状況等」は27年3月末現在で集計している。
[評価指標の設定に当たり、基幹事業の要素事業が評価指標の変化量に及ぼす影響を考慮していないもの]
[交付対象事業と評価指標の変化量との因果関係が明確となっていないもの]
[同一の整備計画において一体的に実施する基幹事業の要素事業がなかったもの]
[整備計画の開始前から実施していた事業を効果促進事業として実施していたもの]
[中間評価等を実施せずに計画期間を6年以上に延長していたもの]
[評価指標の達成率がマイナスとなっていたもの]
[事業効果を正確に把握できるアンケート項目を設定していなかったもの]
[最終目標値を達成していたとしていたが、実際は最終目標値を達成していなかったもの]