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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成28年2月|

「北海道、四国、九州各旅客鉄道株式会社の経営状況等について」


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1)検査の観点及び着眼点

会計検査院は、14年度報告において三島会社の経営状況について記述しているところであるが、その後10年以上が経過している。その間には、20年のリーマン・ショックを契機とした景気の後退もあり、三島会社を取り巻く経営環境も変化しており、また、22年度末にJR九州では九州新幹線(鹿児島ルート)が全線開業したり、23年度には、JR北海道の石勝線車両火災事故等(以下「車両事故等」という。)が発生したり、JR北海道及びJR四国に対する経営安定基金の実質的な積増しや三島会社に対する無利子貸付・助成金交付事業が実施されたりしている。さらに、27年度末にJR北海道では北海道新幹線の一部開業、28年度にはJR九州の株式上場も見込まれている。

そこで、会計検査院は、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、三島会社の経営状況は14年度報告の掲記以降に向上しているか、経営安定基金の運用状況はどのようになっているか、国土交通省及び機構の財政支援等がその目的に照らして適正かつ有効に機能しているかなどに着眼して検査した。

(2)検査の対象及び方法

会計検査院は、国土交通本省、機構本社及び三島会社本社において、会計実地検査を行った。このうち、国土交通省及び機構においては、昭和62年度から平成26年度までの三島会社に対する財政支援等を対象として、その目的や実施状況等について、説明を聴取するなどして検査した。また、三島会社においては、14年度から26年度までの各社の経営状況や経営安定基金の運用状況等について、財務諸表等の書類によりその内容を分析するとともに、経営状況、設備投資計画、経営安定基金の運用状況等に関する調書の提出を求めてその内容を確認し、昭和62年度、平成14年度及び26年度の各年度の状況等を比較するなどして検査した。