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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第2 内閣府(内閣府本府)|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (2) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

地域子育て支援拠点事業の実施に当たり、補助金等の交付額の算定が適切でなかったもの[内閣府本府](9)(10)


(2件 不当と認める国庫補助金 7,349,000円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(9) 内閣府本府 秋田県仙北郡美郷町 地域子育て支援拠点 26、27 59,316 19,771 14,598 4,865
(10) 香川県高松市 26 216,329 72,109 7,453 2,484
(9)(10)の計 275,646 91,880 22,051 7,349

これらの補助事業等は、2市町が、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所(以下「地域子育て支援拠点」という。)を開設して、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行うために、地域子育て支援拠点事業(以下「拠点事業」という。)を実施したものであり、内閣府本府は、拠点事業に要する費用の一部を補助するため、平成26年度に保育緊急確保事業費補助金を、また、27年度に子ども・子育て支援交付金を交付している(以下、保育緊急確保事業費補助金及び子ども・子育て支援交付金を合わせて「補助金等」という。)。

 「地域子育て支援拠点事業の実施について」(平成26年雇児発0529第18号)(以下「実施要綱」という。)等によれば、拠点事業の実施に当たっては、開設時間中に専任の者を2名以上配置することなどが実施要件とされている。また、地域子育て支援拠点では、基本事業として子育て親子の交流の場の提供等を行うほか、子育て支援活動の展開を図るための取組(以下「子育て支援展開取組」という。)を行うことができるとされている。子育て支援展開取組は、地域子育て支援拠点の開設場所等を活用して行う一時預かり事業等を実施するものであり、市町村が委託等により子育て支援展開取組を実施する場合には、補助金等の交付額の算定に当たり、基本事業に係る基準額に子育て支援展開取組に係る基準額を加算(以下「加算分」という。)することができるとされている。

拠点事業に係る補助金等の交付額は、「平成26年度保育緊急確保事業費補助金の国庫補助について」(平成26年府政共生第383号内閣府事務次官通知)等に基づき、地域子育て支援拠点の開設日数等の区分により定められた基準額の合計額と対象経費の実支出額を比較して少ない方の額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して、少ない方の額(以下「国庫補助等基本額」という。)に国の負担割合3分の1を乗じて得た額とすることとなっている。

2市町は、拠点事業について、国庫補助等基本額を計275,646,009円として内閣府本府に事業実績報告書を提出して、これにより補助金等計91,880,000円の交付を受けていた。

しかし、2市町は、補助金等の交付額の算定に当たり、地域子育て支援拠点の開設時間中に専任の者を2名以上配置することとされている実施要件を満たしておらず補助の対象とならない事業費を対象経費の実支出額等に含めたり、市町村が委託等することなく自ら子育て支援展開取組を実施しているのに加算分を算定したりしていたため、国庫補助等基本額が過大に算定されていた。

したがって、適正な国庫補助等基本額を算定すると計253,594,391円となることから、前記の国庫補助等基本額計275,646,009円との差額22,051,618円が過大になっており、これに係る補助金等相当額7,349,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2市町において実施要綱等の理解が十分でなかったこと、内閣府本府において事業実績報告書の審査及び確認並びに2市町に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

高松市は、平成26年度に、31か所の地域子育て支援拠点において専任の者を2名以上配置した上で拠点事業に係る国庫補助等基本額を216,329,391円として内閣府本府に事業実績報告書を提出し、これにより補助金72,109,000円の交付を受けていた。

しかし、実際は、1か所の地域子育て支援拠点において開設時間中に専任の者が2名以上配置されていないことから、当該地域子育て支援拠点に係る拠点事業の事業費は補助の対象とならないのに、事業費7,453,000円を対象経費の実支出額等に含めて国庫補助等基本額を算定していた。

したがって、適正な国庫補助等基本額を算定すると208,876,391円となり、これに係る補助金の交付額は69,625,000円となることから、前記の補助金72,109,000円との差額2,484,000円が過大に交付されていた。

(「子育て支援対策臨時特例交付金により造成した基金を活用して実施した事業(地域子育て支援拠点事業に係る分)において基金が過大に使用されるなどしていたもの」参照)