(1件 不当と認める国庫補助金 6,421,541円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(16) | 内閣府本府 | 三遠南信地域連携ビジョン推進会議 | 地域社会雇用創造事業交付金 | 22、23 | 532,994 | 532,994 | 6,421 | 6,421 |
この交付金事業は、地域社会における事業と雇用を加速的に創造することを目的として、内閣府本府が地方公共団体、特定非営利活動法人等に対して社会的企業支援基金(以下「基金」という。)を造成させるために地域社会雇用創造事業交付金(以下「交付金」という。)を交付するものである(以下、基金を造成する主体を「事業者」という。)。そして、事業者は、地域社会雇用創造事業交付金交付要綱(平成22年府政経運第14号。以下「交付要綱」という。)等に基づき、基金を活用することにより、福祉、介護、地域資源を活かした観光・産業振興等の分野における社会的課題を解決するサービスを行う社会的企業の創業を支援したり、社会的企業の創業に向けた人材育成のための研修等を実施したりするなどの事業(以下「雇用創造事業」という。)を実施している。
交付要綱等によれば、雇用創造事業に係る事業費として計上できる会場借料については、事業者が自ら所有する会場を雇用創造事業に使用する場合、外部に有料で貸し出す場合の料金表等に基づく金額ではなく、会場に係る減価償却費等の金額とされている。また、事業者が実施する雇用創造事業のうち支援対象者の募集、選定等の業務(以下「主要業務」という。)の一部を委託する場合は、委託先が当該委託業務を実施するために直接必要となる経費に消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)相当額を加えるなどした金額を事業費として別途計上することができるとされている。さらに、委託先が主要業務の一部を再委託する場合は、上記と同様に、再委託先が当該再委託業務を実施するために直接必要となる経費(以下、委託先及び再委託先が主要業務の一部を実施するために直接必要となる経費を「直接経費」という。)に消費税相当額を加えるなどした金額を別途事業費として計上することができるとされている。そして、委託先等が自ら所有する会場を雇用創造事業に使用する場合の会場借料に係る直接経費の計上については、上記と同様の取扱いを行うことになっている。
また、交付要綱等によれば、同府は、雇用創造事業が終了し、事業者から事業終了報告書の提出を受けたときは、事業費等を確定するための審査及び確認を行うこととされている。
三遠南信地域連携ビジョン推進会議(以下「SENA」という。)は、平成21年度に事業者となり、交付金700,000,000円の交付を受けて基金を造成した上で、22、23両年度に雇用創造事業を実施していた。雇用創造事業の実施に当たって、SENAは、主要業務の一部を2法人に委託し、このうち1法人は更に別の2法人に再委託していた。そして、SENAは、委託先2法人及び再委託先2法人の直接経費に消費税相当額を加えるなどしてそれぞれに係る事業費を算出し、これにSENAに係る事業費を加えた事業費計532,994,796円を基金から取り崩して使用したとして、事業終了報告書を同府に提出していた。
しかし、SENAは、直接経費に係る消費税相当額について、直接経費の中には既に消費税が含まれているものがあるのに、直接経費の合計額に消費税率を乗じていたため、計3,426,960円過大に計上したり、委託先1法人及び再委託先2法人が自ら所有する会場を雇用創造事業に使用した場合の会場借料に係る直接経費について、これらの法人が外部に有料で貸し出す場合の料金表に基づいて算出していたため、計2,410,807円過大に計上したりなどしていた。
したがって、適正な事業費を修正計算すると計526,573,255円となり、前記の事業費計532,994,796円との差額6,421,541円(交付金相当額同額)が過大に精算されていて、同額が基金から過大に取り崩されて使用されており、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、SENAにおいて交付要綱等に基づく雇用創造事業の経理処理及び消費税の取扱いに関する理解が十分でなかったこと、同府において雇用創造事業に係る事業終了報告書等の審査及び確認並びにSENAに対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。