本院は、東京法務局、同局墨田、豊島、港各出張所(以下「4部局」という。)及び新潟刑務所における不正行為について、会計検査院法第27条の規定に基づく法務大臣からの報告又は会計法(昭和22年法律第35号)第42条の規定に基づく同大臣からの通知を受けるとともに、4部局及び新潟刑務所において、合規性等の観点から不正行為の内容がどのようなものであるかなどに着眼して会計実地検査を行った。
上記の不正行為により損害が生じたものが2件、損害額で計478,736,000円あり、いずれも不当と認められる。
この2件を損害の補填が終わっていないものと損害額の全てが補填済みとなっているものとに分けて示すと、次のとおりである。
部局等 | 不正行為期間 | 損害額 | |
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年月 | 円 | ||
(46) | 東京法務局、同局墨田、豊島、港各出張所 | 18. 1から 28.12まで |
472,936,000 |
本件は、上記の各部局において、登記調査官(平成27年3月31日以前は登記官)天野某が、登記申請の受付等の事務に従事中、18年1月から28年12月までの間に、郵送により送付されるなどした登記申請書に貼付されていた収入印紙について、消印をせずに剥ぎ取り、登記済みの他の登記申請書から剥ぎ取った消印済みの収入印紙を貼付し、その上から更に消印をして、収入印紙472,936,000円分を領得したものである。
なお、本件損害額については、29年9月末現在で290,000円が同人から返納されている。
(47) | 新潟刑務所 | 27.11から 28. 3まで |
5,800,000 |
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本件は、上記の部局において、法務事務官が、歳入歳出外現金出納官吏等の補助者として小切手の作成等の事務に従事中、平成27年11月から28年3月までの間に、歳入歳出外現金出納官吏等の会計機関印を無断で使用して小切手を作成し、これを現金化するなどして、保管金5,800,000円を領得したものである。
なお、本件損害額については、28年9月に全額が同人から返納されている。
(46)(47)の計 | 478,736,000 |
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