(5件 不当と認める国庫補助金 7,000,000円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(227) | 農林水産本省 | 全国農業会議所 | 山形県 最上郡真室川町 (事業主体) |
青年就農給付金 | 26 | 25,125 | 25,125 | 1,625 | 1,625 |
(228) | 関東農政局 | 長野県 (事業主体) |
― | 同 | 24 | 181,750 | 181,750 | 1,500 | 1,500 |
(229) | 農林水産本省 | 全国農業会議所 | 静岡県 掛川市 (事業主体) |
同 | 25 | 21,750 | 21,750 | 1,500 | 1,500 |
(230) | 同 | 同 | 佐賀県 鹿島市 (事業主体) |
同 | 26 | 19,125 | 19,125 | 1,250 | 1,250 |
(231) | 同 | 同 | 宮崎県 児湯郡高鍋町 (事業主体) |
同 | 27 | 8,250 | 8,250 | 1,125 | 1,125 |
(227)―(231)の計 | 256,000 | 256,000 | 7,000 | 7,000 |
これらの補助事業は、5事業主体が、青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図り、青年就農者の大幅な増大を図るために、経営の不安定な就農初期段階の者(以下「新規就農者」という。)及び就農に向けて研修を受ける者(以下「研修生」という。)に対して、原則として年間1,500,000円の青年就農給付金(以下「給付金」という。)を給付する事業に要した経費について、国庫補助金を交付したものである。
新規就農・経営継承総合支援事業実施要綱(平成24年23経営第3543号農林水産事務次官依名通知)等によれば、給付金の給付を受ける新規就農者は、本人が農地の所有権又は利用権を有していること(以下「農地要件」という。)などの給付要件を満たす必要があるとされている。給付金の給付を受けた研修生は、研修終了後に就農する必要があり、給付金の給付期間の1.5倍又は2年間のいずれか長い期間(以下「要就農継続期間」という。)にわたり独立・自営就農(注1)等を継続しなかった場合には、給付金の全額を返還することとされている。そして、就農した研修生が要就農継続期間にわたり独立・自営就農を継続していると認められるためには、同期間において農地要件を満たしていなければならないとされている。また、事業主体は、新規就農者への給付金の給付時において、新規就農者の前年の繰越控除前の総所得(注2)が250万円以上であった場合には、給付金の給付を停止することとされている。
5事業主体は、新規就農者計54名及び研修生計103名に対して給付金を給付して本件事業を事業費計256,000,000円で実施したとして、関東農政局及び4県に実績報告書を提出し、これにより同額の国庫補助金の交付を受けていた。
しかし、真室川町、鹿島市及び高鍋町は、新規就農者計5名について、農地要件を満たしていない期間があったのに、この期間に係る給付金を給付していた。また、長野県は、研修生1名について、独立・自営就農をしていたとしている期間中に農地要件を満たしていない期間があり、要就農継続期間にわたり独立・自営就農を継続したとは認められないのに、同人に給付した給付金を返還させていなかった。そして、掛川市は、新規就農者1名について、農業経営開始後の24年における繰越控除前の総所得が250万円以上となっていたのに、誤って繰越控除が適用された後の額に基づいて所得を確認していたため給付停止の要件には該当しないとして、給付金を給付していた。
したがって、5事業主体が上記の7名に給付した給付金計9,750,000円のうち、給付要件を満たしていない期間に係る給付金4,000,000円、返還させていなかった給付金1,500,000円及び給付を停止する必要があった給付金1,500,000円、計7,000,000円は補助の対象とは認められず、これらに係る国庫補助金相当額計7,000,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、5事業主体において給付金の給付に当たって給付要件等についての理解が十分でなく審査及び確認が十分でなかったこと、関東農政局及び4県において5事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。