(3件 不当と認める国庫補助金 13,019,996円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(240) | 農林水産本省 | 合同会社まかく堂 (事業主体) |
― | 鳥獣被害防止総合対策交付金等2事業 | 23、24 27 |
32,268 | 32,268 | 7,910 | 7,910 |
(241) | 同 | 株式会社一成 (事業主体) |
― | 同 | 23~26 | 37,600 | 37,126 | 2,043 | 1,569 |
(242) | 同 | 株式会社野生動物保護管理事務所 (事業主体) |
― | 鳥獣被害防止総合対策交付金 | 25、27 | 51,042 | 48,098 | 6,484 | 3,540 |
(240)―(242)の計 | 120,910 | 117,492 | 16,438 | 13,019 |
これらの交付金事業等は、3事業主体が、鳥獣による農林水産業等に係る被害の軽減に資することを目的として、鳥獣被害の防止対策を担う人材や捕獲した鳥獣の利活用を推進する人材の育成を図るための研修カリキュラムの作成、研修会の開催等を実施したものである。
農林水産省は、事業主体に対して、交付金事業等の実施に要した旅費、賃金等の経費を交付対象事業費として交付金等を交付している。そして、このうち賃金については、「補助事業等の実施に要する人件費の算定等の適正化について」(平成22年22経第960号農林水産省大臣官房経理課長通知)等に基づき、原則として、事業従事者ごとに、給与等の前年支給実績等に基づき算定した時間単価に交付金事業等に従事した実績時間を乗ずるなどして算定することとなっている。
3事業主体は、本件交付金事業等を事業費計120,910,740円(交付対象事業費同額)で実施したとして、農林水産本省に実績報告書を提出して、これにより交付金計117,492,413円の交付を受けていた。
しかし、3事業主体は、上記事業費のうち賃金の算定に当たり、事業従事者ごとの給与等の前年支給実績等に基づく単価ではなく、事業主体が業務を受託する場合等に適用する単価を用いるなどしていた。
したがって、賃金を給与等の前年支給実績等に基づく単価に実績時間を乗じて算定するなどして適正な交付対象事業費を算定すると計104,472,417円となり、前記の交付対象事業費120,910,740円との差額16,438,323円が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額計13,019,996円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、3事業主体において交付金事業等に係る適正な事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、農林水産本省において実績報告書の審査及び確認並びに3事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
合同会社まかく堂は、平成23、24、27各年度に、専門家を講師とした野生鳥獣の生態や行動、総合的な被害対策等に関する研修会の開催等を事業費計32,268,052円(交付対象事業費同額)で実施したとして、農林水産本省に実績報告書を提出して、これにより同額の交付金の交付を受けていた。
しかし、同会社が交付対象事業費に含めていた賃金計17,533,950円は、同会社が業務を受託する場合等に適用する1日当たりの単価を用いて算定した額であり、事業従事者ごとの給与等の前年支給実績等に基づく単価を用いて算定したものではなかった。
したがって、賃金を給与等の前年支給実績等に基づく単価に実績時間を乗じて算定するなどして適正な交付対象事業費を算定すると計24,357,607円となり、前記の交付対象事業費計32,268,052円との差額7,910,445円(交付金相当額同額)が過大に精算されていた。