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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (6) 補助金により造成した基金の使用が適切でなかったもの

森林整備加速化・林業再生事業費補助金により造成した基金を用いて実施した事業において、基金事業の対象事業費を過大に精算していたもの[林野庁](247)


(1件 不当と認める国庫補助金 11,281,000円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(247) 林野庁 島根県 株式会社板倉重機
(事業主体)
森林整備加速化・林業再生 26 30,543 15,271 22,561 11,281

森林整備加速化・林業再生事業費補助金は、林業・木材産業の成長産業化を実現することなどを目的として、「森林整備加速化・林業再生事業費補助金等交付要綱」(平成21年21林整計第82号農林水産事務次官依命通知)等に基づき、林野庁が都道府県に対して基金を造成させるために交付するものである。そして、基金を造成した都道府県は、間伐材等加工流通施設整備事業(以下「基金事業」という。)を実施する事業主体に対して、この基金を取り崩すなどして補助金(以下「基金補助金」という。)を交付している。

株式会社板倉重機(島根県出雲市所在。以下「会社」という。)は、平成26年度に、屋外の原木・製品乾燥場3,100m2の舗装工事を施工業者に請け負わせて事業費30,543,254円(基金事業対象事業費同額)で実施したとして、島根県に対して実績報告書を提出し、基金補助金15,271,000円(国庫補助金相当額同額)の交付を受けていた。

しかし、会社は、実際には、本件舗装工事の一部を自社の直営作業により安価に実施するなどして虚偽の実績報告を行っており、事業に要した経費は上記の事業費よりも低額となっていた。

したがって、実際の事業に要した経費に基づいて適正な基金事業対象事業費を算定すると7,981,622円となり、前記の基金事業対象事業費30,543,254円との差額22,561,632円が過大に精算されており、取り崩された基金11,281,000円(国庫補助金相当額同額)の使用が適切ではなく、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、会社において基金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、同県において実績報告書等の審査及び確認並びに会社に対する指導等が十分でなかったことなどによると認められる。