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  • 平成28年度|
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  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

(1) 研究開発プロジェクト等に関する委託事業において受託者に取得物品を継続使用させるに当たり、無償貸付等の手続を適切に行うなどするよう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め、並びに委託事業の実施期間中における取得物品の使用状況等を把握して、取得物品の管理が適時適切に行われるよう改善の処置を要求したもの


所管、会計名及び科目
経済産業省所管
一般会計 (組織)経済産業本省
(項)技術革新促進・環境整備費(平成19年度以前は、(項)産業技術振興費) 等
内閣府、文部科学省、経済産業省及び環境省所管
エネルギー対策特別会計(エネルギー需給勘定)
(項)エネルギー需給構造高度化対策費 等
平成19年度から23年度までは、
文部科学省、経済産業省及び環境省所管
エネルギー対策特別会計(エネルギー需給勘定)
(項)エネルギー需給構造高度化対策費 等
18年度以前は、
財務省、経済産業省及び環境省所管
石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(石油及びエネルギー需給構造高度化勘定)
(項)エネルギー需給構造高度化対策費 等
部局等
経済産業本省、国立研究開発法人産業技術総合研究所(平成27年3月31日以前は独立行政法人産業技術総合研究所)、独立行政法人製品評価技術基盤機構
取得物品の概要
研究開発プロジェクト等に関する委託事業を実施するために、委託費により受託者が取得した20万円以上の試験装置等
検査の対象とした平成13年度から27年度までの間に締結された委託契約に係る取得物品の数量及び取得価格
6,312個 119億4708万余円
無償貸付等の手続を経ないまま受託者に長期間継続使用させていて物品管理簿に記録されていない取得物品の数量及び取得価格(1)
844個 12億3797万円
(うち重要物品842個 12億3701万円)
無断で廃棄されている取得物品の数量及び取得価格(2)
651個 9億1499万円
需要調査を実施せずに使用される見込みがないまま受託者において長期間保管されている取得物品の数量及び取得価格(3)
250個 2億9186万円
(1)から(3)までの計
1,745個 24億4482万円

【適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求め並びに改善の処置を要求したものの全文】

研究開発プロジェクト等に関する委託事業により取得した物品の管理について

(平成29年10月30日付け 経済産業大臣宛て)

標記について、下記のとおり、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求め、並びに同法第36条の規定により改善の処置を要求する。

1 委託事業等の概要

(1) 委託事業の概要

貴省は、我が国の鉱工業の科学技術に関する研究及び開発の企画、立案、推進等を目的として、3年から5年までの間の研究期間を前提とした各種の研究開発プロジェクト等を、独立行政法人等に委託して実施している(以下、委託して実施する研究開発プロジェクト等を「委託事業」という。)。そして、毎年度、受託者との間で委託契約を締結して、委託事業の実施に必要な経費を委託費として支払っており、受託者は、委託費により必要な試験装置等の物品を取得している(以下、委託事業により取得した20万円以上の物品を「取得物品」という。)。委託事業に係る委託契約書等によれば、受託者は、取得物品について、取得財産管理台帳を備えて、委託事業終了後においても善良な管理者の注意をもって管理し、貴省の指示があったときはその指示に従って処分しなければならないなどとされている。

(2) 国における物品の管理等

物品管理法(昭和31年法律第113号)等によれば、国の物品については、各省各庁の長が物品の取得、保管、供用及び処分を行い、各省各庁の長からその管理に関する事務の委任を受けた職員が物品管理官として当該事務を行うこととされている。そして、物品管理官は、物品管理簿を備えて、その管理する物品の分類及び品目ごとに、物品の増減等の異動数量、現在高その他物品の異動に関する事項等を記録することとされており、取得価格が50万円以上の機械及び器具(以下「重要物品」という。)については、その取得価格を記録することとされている。

また、各省各庁の長は、重要物品について、毎会計年度末の物品管理簿の記録内容に基づいて、物品増減及び現在額報告書(以下「物品報告書」という。)を作成することとなっており、物品報告書に基づいた物品の現在額等は内閣から国会に報告されている。

(3) 委託事業終了後の取得物品の無償貸付等の手続

貴省の事務連絡「委託契約における取得財産の管理について」(平成22年大臣官房会計課)によれば、委託事業の執行担当課は、毎年度の委託事業終了後に、取得物品の活用方法を検討することとされており、その活用方法が確定し次第、受託者に対して、取得物品の所有権を貴省に移転するよう指示し、あわせて、会計機関は、取得物品を貴省の物品管理簿に記録することとされている。ただし、複数年度にわたる事業を前提として受託者を採択した委託事業の場合には、上記活用方法の検討を委託事業の最終年度に行うことができることとされている。貴省は、上記の複数年度にわたる委託事業については、毎年度の委託事業終了後に所有権の移転及び物品管理簿への記録の手続を経ることはなく、その実施期間中において受託者に取得物品を使用させることができるとしている。

取得物品の活用方法には、受託者への無償貸付、公募による売払い等の方法がある。このうち無償貸付は、受託者が委託事業終了後に取得物品の継続使用を希望する場合において、「経済産業省所管に属する物品の無償貸付及び譲与に関する省令」(平成15年経済産業省令第81号)等に基づき、受託者に対して、継続使用する取得物品を善良な管理者の注意をもって管理すること、貴省の指示に従って取得物品の使用実績の記録及び報告をすること、亡失又は損傷したときは直ちに報告することなどの条件を付して、取得物品を無償で貸し付けるものである。なお、受託者がその責めに帰すべき事由により貸付けを受けた取得物品を亡失し、又は損傷したときは、貴省は、受託者にその損害を弁償させるなどしなければならないこととなっている。

一方、公募による売払い等は、受託者が委託事業終了後に取得物品の継続使用を希望しない場合において、前記の事務連絡に基づき、取得物品に関する情報を貴省のホームページに掲載して需要調査を実施し、その需要に応じて、国等の他機関に管理換等を行ったり、競争入札による売払いを行ったりなどするものである。

2 本院の検査結果

(検査の観点及び着眼点)

本院は、正確性、合規性、有効性等の観点から、受託者に継続使用させている取得物品について所有権の移転、物品管理簿への記録及び無償貸付(以下、これらを合わせて「無償貸付等」という。)の手続が適切に行われているか、取得物品が委託契約書等に基づき善良な管理者の注意をもって適切に管理されているか、使用される見込みがない取得物品について有効活用を図るための措置が実施されているかなどに着眼して検査した。

(検査の対象及び方法)

検査に当たっては、貴省の委託事業を実施している独立行政法人のうち、委託費により試験装置等の物品を取得した実績のある国立研究開発法人産業技術総合研究所(平成27年3月31日以前は独立行政法人産業技術総合研究所。以下「研究所」という。)及び独立行政法人製品評価技術基盤機構が、13年度から27年度までの間に締結した委託契約に係る取得物品であって両法人の取得財産管理台帳等に記録されているもの6,312個(取得年度13年度~27年度、取得価格計119億4708万余円)を対象として、貴省及び両法人において、貴省の物品管理簿、委託事業の契約関係書類、取得物品の無償貸付関係書類等を検査するとともに、物品管理簿と取得財産管理台帳等とを突合したり、29年5月末現在における取得物品の管理状況を確認したりするなどして会計実地検査を行った。

(検査の結果)

検査したところ、上記取得物品6,312個の29年5月末現在の管理状況は、受託者に使用させているものが4,873個(取得価格計98億1830万余円)、受託者により廃棄等されているものが825個(同13億1184万余円)、受託者において使用される見込みがないまま保管されているものが614個(同8億1693万余円)となっており、これらの取得物品について、次のような事態が見受けられた。

(1) 無償貸付等の手続を経ないまま受託者に取得物品を長期間継続使用させていて、取得物品が物品管理簿に記録されていない事態

受託者に使用させている取得物品4,873個について、無償貸付等の手続の状況を確認したところ、表1のとおり、委託事業の実施期間中に使用させている取得物品は250個(取得価格計5億9976万余円)、委託事業終了後に無償貸付等の手続を経て継続使用させている取得物品は3,766個(同79億6651万余円)となっていた。一方、残りの取得物品857個(同12億5203万余円)については、貴省による無償貸付等の手続を経ないまま、受託者に継続使用させているものであり、このうちの844個(同12億3797万余円(うち重要物品842個、同12億3701万余円))は、委託事業終了後1年以上の長期間にわたり継続使用させていた。これらについて、委託事業終了後の継続使用期間別にその内訳をみたところ、表2のとおり、継続使用期間が10年以上の取得物品は607個と全体の7割を超えていた。

表1 受託者に使用させている取得物品の無償貸付等の手続の状況

法人名 受託者に使用させている取得物品
委託事業の実施期間中に使用させているもの
委託事業終了後に受託者に継続使用させているもの うち無償貸付等の手続を経て継続使用させているもの
うち無償貸付等の手続を経ないまま、受託者に継続使用させているもの うち委託事業終了後の継続使用期間
1年未満 1年以上
国立研究開発法人産業技術総合研究所 個数 4,805 234 4,571 3,714 857 13 844
取得価格(円) 9,666,795,317 579,704,940 9,087,090,377 7,835,056,227 1,252,034,150 14,063,565 1,237,970,585
独立行政法人製品評価技術基盤機構 個数 68 16 52 52 0 0 0
取得価格(円) 151,513,447 20,055,420 131,458,027 131,458,027 0 0 0
個数 4,873 250 4,623 3,766 857 13 844
(うち重要物品
842)
取得価格(円) 9,818,308,764 599,760,360 9,218,548,404 7,966,514,254 1,252,034,150 14,063,565 1,237,970,585
(うち重要物品
1,237,013,134)

表2 無償貸付等の手続を経ないまま、受託者に1年以上継続使用させているもの

法人名 委託事業終了後の継続使用期間が1年以上のもの 左に係る継続使用期間の内訳
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上 委託事業終了日不明(1年以上
国立研究開発法人産業技術総合研究所 個数 844 173 61 607 3
取得価格
(円)
1,237,970,585 327,322,450 89,195,371 817,679,631 3,773,133
独立行政法人製品評価技術基盤機構 個数 0 0 0 0 0
取得価格
(円)
0 0 0 0 0
個数 844 173 61 607 3
取得価格
(円)
1,237,970,585 327,322,450 89,195,371 817,679,631 3,773,133
(注)
「委託事業終了日不明(1年以上)」は、正確な年月日は確認できないが、委託事業終了後1年以上を経過していることが明らかなものである。

このように、上記の取得物品844個については、貴省による無償貸付等の手続を経ないまま、委託事業終了後に受託者に長期間継続使用させていて、無償貸付等の手続が適切に行われておらず、物品管理簿に記録されていなかった。このため、物品管理簿、ひいては物品報告書が国の物品の現況を反映した正確なものとなっていない状況となっていた。

(2) 取得物品が無断で廃棄されている事態

受託者により廃棄等されている取得物品825個について、委託契約書等に基づく管理状況を確認したところ、表3のとおり、取得物品174個(取得価格計3億9685万余円)については、委託契約書等に基づき貴省の指示を受けて廃棄等されていたが、残りの取得物品651個(同9億1499万余円)については、貴省の指示を受けることなく無断で廃棄されていて、受託者において善良な管理者の注意をもって適切に管理されていなかった。そして、これら651個の取得物品について、貴省は、受託者に取得物品を使用する見込みがなくなった時点で速やかにその旨を報告させることについて十分に周知しておらず、受託者から報告がなかったことから、このような事態を把握していなかった。このため、当該取得物品が受託者の責めに帰すべき事由により廃棄されて、国に損害を与えたと判断される場合であっても、委託契約書等に基づき、受託者に対してその損害を弁償させるなどの措置を講ずることが困難な状況となっていた。

表3 受託者により廃棄等されている取得物品

法人名  
受託者により廃棄等されている取得物品 うち経済産業省の指示を受けて廃棄等されているもの うち経済産業省の指示を受けることなく無断で廃棄されているもの
国立研究開発法人産業技術総合研究所 個数 749 101 648
取得価格
(円)
1,163,177,053 266,863,785 896,313,268
独立行政法人製品評価技術基盤機構 個数 76 73 3
取得価格
(円)
148,672,173 129,992,673 18,679,500
個数 825 174 651
取得価格
(円)
1,311,849,226 396,856,458 914,992,768

上記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例1>

研究所は、平成15年度に「平成15年度科学技術総合研究委託費」(材料の低環境負荷ライフサイクルデザイン実現のためのバリアフリープロセシング技術に関する研究他全31課題)を貴省から受託し、乱流制御の研究に資するために壁乱流リアルタイム制御DSP装置(取得価格10,292,940円)を15年11月に購入し16年3月末まで使用していたが、同年4月以降は無償貸付等の手続を経ずに、関連する研究課題の研究に資するために継続使用していた。その後、研究所は、18年8月頃から故障により同装置を使用しなくなりそのまま保管していたところ、同年12月に、貴省から廃棄の指示があったものと誤認して所定の耐用年数の経過前に廃棄していた。しかし、貴省は、研究所に同装置を使用する見込みがなくなった時点で速やかにその旨を報告させることについて十分に周知しておらず、研究所から報告がなかったことから、このような事態を把握していなかった。

(3) 使用される見込みがない取得物品について需要調査を実施せずに受託者において長期間保管されている事態

受託者において使用される見込みがないまま保管されている取得物品614個について、貴省における取得物品の有効活用を図るための需要調査の実施状況を確認したところ、表4のとおり、取得物品334個(取得価格計5億0008万余円)については、需要調査が実施されていて、その需要に応じた活用方法の検討が行われていたが、残りの取得物品280個(同3億1684万余円)については、需要調査が実施されておらず、このうちの250個(同2億9186万余円)は、表5のとおり、受託者において1年以上の長期間にわたり保管されていた。そして、これら250個の取得物品について、貴省は、(2)と同様に、受託者に使用する見込みがなくなった時点で速やかにその旨を報告させることについて十分に周知しておらず、受託者から報告がなかったことから、このような事態を把握していなかった。このため、当該取得物品について需要調査を実施して、国等の他機関に管理換等を行ったり、競争入札による売払いを行ったりするなどして有効活用を図ることができない状況となっていた。

また、複数年度にわたる委託事業の実施期間中に使用されるなどしている取得物品については、多数の取得物品の現物を個別に確認して再使用の可否等を判断するまでに相当の時間を要するため、その活用方法の検討を委託事業の最終年度までに確実に行っておく必要があるが、貴省において、委託事業の実施期間中における取得物品の使用状況や委託事業終了後における受託者の継続使用の希望の有無等を定期的に把握することとしておらず、活用方法の検討を速やかに行うことができない状況となっていた。

表4 受託者において使用される見込みがないまま保管されている取得物品

法人名 受託者において使用される見込みがないまま保管されている取得物品  
うち需要調査が実施されているもの うち需要調査が実施されていないもの  
左の保管期間
1年未満 1年以上
国立研究開発法人産業技術総合研究所 個数 607 334 273 30 243
取得価格
(円)
807,457,683 500,082,915 307,374,768 24,982,850 282,391,918
独立行政法人製品評価技術基盤機構 個数 7 0 7 0 7
取得価格
(円)
9,474,150 0 9,474,150 0 9,474,150
個数 614 334 280 30 250
取得価格
(円)
816,931,833 500,082,915 316,848,918 24,982,850 291,866,068

表5 需要調査を実施せずに受託者において1年以上保管されているもの

法人名 保管期間が1年以上のもの 左に係る保管期間の内訳
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上 保管開始日不明(1年以上)
国立研究開発法人産業技術総合研究所 個数 243 202 24 1 16
取得価格
(円)
282,391,918 237,044,636 28,954,747 519,750 15,872,785
独立行政法人製品評価技術基盤機構 個数 7 0 2 5 0
取得価格
(円)
9,474,150 0 3,260,145 6,214,005 0
個数 250 202 26 6 16
取得価格
(円)
291,866,068 237,044,636 32,214,892 6,733,755 15,872,785
(注)
「保管開始日不明(1年以上)」は、正確な年月日は確認できないが、保管開始から1年以上を経過していることが明らかなものである。

上記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例2>

研究所は、平成19年度に「平成19年度中小企業産業技術研究開発委託費」(可搬型X線透視分析装置の開発研究)を貴省から受託し、土壌等の地質試料を対象としたX線分析を行うために20年2月にX線カメラ(取得価格840,000円)を購入し21年3月の委託事業終了後も無償貸付等の手続を経て継続使用していた。その後、研究所は、25年1月頃から同カメラを使用しなくなり、その翌月頃から実験室で保管していた。しかし、貴省は、研究所に同カメラを使用する見込みがなくなった時点で速やかに報告させることについて十分に周知しておらず、研究所から報告がなかったことから、このような事態を把握しておらず、同カメラは需要調査が実施されずに受託者において4年以上保管されていた。

(是正及び是正改善並びに改善を必要とする事態)

貴省において、無償貸付等の手続を経ないまま受託者に取得物品を長期間継続使用させていて、取得物品が物品管理簿に記録されていなかったり、取得物品が貴省の指示を受けることなく無断で廃棄されていたり、使用される見込みのない取得物品について需要調査を実施せずに受託者において長期間保管されていたりしている事態は適切ではなく、是正及び是正改善を図る要があると認められる。また、貴省において、複数年度にわたる委託事業の実施期間中における取得物品の使用状況や委託事業終了後における受託者の継続使用の希望の有無等を定期的に把握することとしておらず、委託事業の最終年度までに取得物品の活用方法の検討を速やかに行うことができない状況となっている事態は適切ではなく、改善を図る要があると認められる。

(発生原因)

このような事態が生じているのは、貴省において、委託事業の執行担当課に対して、委託事業終了の際に、受託者が継続使用を希望する取得物品に係る無償貸付等の手続を適切に行うことについての周知が十分でないこと、また、受託者に対して、委託契約書等に基づき、取得物品を善良な管理者の注意をもって適切に管理するとともに、使用する見込みがなくなった場合には速やかに貴省に報告することについての周知が十分でないこと、さらに、複数年度にわたる委託事業の最終年度までに取得物品の活用方法の検討を確実に行うために、委託事業の実施期間中における取得物品の使用状況や委託事業終了後における受託者の継続使用の希望の有無等を定期的に把握することの必要性についての理解が十分でないことなどによると認められる。

3 本院が要求する是正の処置及び求める是正改善の処置並びに要求する改善の処置

貴省は、今後も委託による研究開発プロジェクト等を推進していくこととしており、受託者において当該研究開発プロジェクト等に必要な物品を多数購入することが見込まれる。

ついては、貴省において、無償貸付等の手続を経ないまま受託者に継続使用させていて物品管理簿に記録されていない取得物品については、速やかにその手続を行ったり、貴省の指示を受けることなく無断で廃棄されている取得物品については、国に損害が生じたと判断される場合にその損害を弁償させるなどしたり、受託者において使用される見込みがないまま長期間保管されている取得物品については、速やかにその有効活用を図るための需要調査を行うなどしたりするよう是正の処置を要求するとともに、今後、受託者に継続使用させる取得物品の管理が適時適切に行われるよう、次のとおり是正改善の処置を求め及び改善の処置を要求する。

  • ア 委託事業の執行担当課に対して、受託者が継続使用を希望する取得物品について、委託事業終了の際に無償貸付等の手続を適切に行うよう周知徹底を図ること(会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めるもの)
  • イ 受託者に対して、委託契約書等に基づき、取得物品を善良な管理者の注意をもって適切に管理し、取得物品を使用する見込みがなくなった場合には、貴省に対して速やかにその旨を報告するよう周知徹底を図ること(同法第34条の規定により是正改善の処置を求めるもの)
  • ウ 複数年度にわたる委託事業の最終年度までに取得物品の活用方法の検討を確実に行うために、委託事業の実施期間中における取得物品の使用状況や委託事業終了後における受託者の継続使用の希望の有無等を把握することとすること(同法第36条の規定により改善の処置を要求するもの)