(1件 不当と認める国庫補助金 5,563,424円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(275) | 沖縄県 | 島尻郡南風原町 | 防災・安全交付金(下水道) | 26、27 | 35,247 (17,271) |
10,362 | 9,272 (9,272) |
5,563 |
この交付金事業は、南風原町が、県道128号線に埋設する函渠(かんきょ)等の下水道施設の整備に伴い支障となる通信線及びこれを保護する管路からなる通信線路(延長174.8m)等の移設に要する費用として補償費35,247,703円(うち下水道施設の整備に係る補償費17,271,374円、交付対象事業費同額、交付金交付額10,362,825円)を電気通信事業者に対して支払ったものである。
「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」(昭和42年閣議決定)、「公共補償基準要綱の運用申し合せ」(昭和42年用地対策連絡会。以下、これらを合わせて「公共補償基準」という。)等によれば、公共事業の施行に伴い、既存公共施設等の管理者が、機能の廃止等が必要となる既存公共施設等の代替の公共施設等を建設する場合においては、当該公共施設等を建設するために必要な費用から、既存公共施設等の機能廃止の時までの財産価値の減耗分(以下「減価相当額」という。)等を控除して補償費を算定することとされている。
そして、当該公共施設等を建設するために必要な費用は、原則として、既存公共施設等と同等の公共施設等を建設することにより機能回復を行う費用(以下「復成価格」という。)とされ、減価相当額については、既存公共施設等の復成価格に基づき、経過年数等を考慮して算定することとされている。
同町は、本件補償費の算定において、通信線路等を建設するために必要な費用については、通信線路等の材料費、通信線路等の設置費等からなる復成価格とした一方で、復成価格から控除する減価相当額については、通信線等の材料費のみに基づき算定するなどした額としていた。
しかし、公共補償基準等によれば、減価相当額は、復成価格に基づいて算定することとされていることから、通信線等の材料費のみに基づいて算定するのではなく、通信線路等の設置費等も含めた費用に基づくなどした額とすべきであった。
したがって、通信線路等の復成価格に基づき算定した減価相当額を控除するなどして適正な補償費の交付対象事業費を算定すると7,999,002円となり、本件補償費の交付対象事業費17,271,374円はこれに比べて9,272,372円過大となっており、これに係る交付金相当額5,563,424円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同町において、本件補償費の算定に当たり、公共補償基準等における減価相当額等の取扱いについての理解が十分でなかったことなどによると認められる。