(1件 不当と認める国庫補助金 5,757,359円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 実施年度 | 基金使用額 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める基金使用額 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(291) | 環境本省 | 島根県 | 海岸漂着物地域対策推進 | 26 | 31,212 | 31,212 | 5,757 | 5,757 |
この補助事業は、海岸漂着物の集積が著しく、海岸における良好な景観及び環境の保全に深刻な影響を及ぼしている地域等において、海岸漂着物の回収・処理及び発生抑制対策に関する事業(以下「処理事業」という。)を実施することなどを目的とする基金を造成させるために、環境省が、都道府県に対して、地域環境保全対策費補助金を交付するものである。
島根県は、平成24年度地域環境保全対策費補助金(海岸漂着物地域対策推進事業)交付要綱(平成25年3月環境事務次官通知)等に基づき、基金を財源として、処理事業を自ら実施するほか、処理事業を実施する市町村に対して、基金を取り崩して同県からの補助金(以下「県補助金」という。)として交付している。
出雲市は、県補助金の交付を受けて、平成26年度に、地合漁港等の海岸に漂着したごみの回収、運搬及び処分の業務を、契約額31,212,000円(県補助金同額)で業者に請け負わせて実施することとし、業務の完了時に業者から作業完了報告書の提出を受け、同額を業者に支払っていた。同市は、本件契約の仕様書において、処分する予定のごみの重量を計495.4t(処分費計7,063,907円)とし、処分されたごみの重量に基づくなどして仕様書の変更を行うこととしていた。
しかし、作業完了報告書等によれば、実際に処分されたごみの重量は、発泡スチロール等の軽いごみが大量に含まれていたことなどから計34.4tであり、仕様書の数量より少ないものとなっていたのに、同市は、仕様書の変更を行わず、その全額を支払っており、同額を県補助金の事業実績額としていた。
したがって、実際に処分されたごみの重量等の実績に基づくと適正な処分費は計556,132円となり、適正な事業実績額は25,454,641円(県補助金同額)となることから、上記の事業実績額31,212,000円はこれに比べて5,757,359円過大となっており、取り崩された基金5,757,359円(国庫補助金相当額同額)の使用が適切でなく、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において県補助金の対象となる契約額の変更に対する理解が十分でなかったこと、同県において県補助金に係る実績報告書の審査及び同市に対する助言が十分でなかったことなどによると認められる。