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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成29年7月|

国の行政機関等における社会保障・税番号制度の導入に係る情報システムの整備等の状況について


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

国の行政機関、地方公共団体、独立行政法人、医療保険者等の各機関は、24年度以降順次マイナンバー制度関連システムの整備に着手した。このうち、自治体は、前記のとおり、総務省及び厚生労働省から補助金の交付を受けて、マイナンバー制度の導入に必要な情報システムの整備を行い、27年10月に住民基本台帳システムの利用、マイナンバーの付番及び通知カードによるマイナンバーの通知を開始し、28年1月にマイナンバーカードの交付及びマイナンバーの利用を開始した。

会計検査院は、前記のとおり、自治体が行うマイナンバー制度の導入に係る補助事業の実施状況等について先行して検査を実施し、29年1月に報告したところである。

一方、国の行政機関等は、28年1月以降にマイナンバー制度関連システムによるマイナンバーの利用を開始するとともに、29年秋頃から本格運用を開始する情報連携のために必要な設計・開発業務等の契約を締結している。マイナンバー制度関連システムの整備等に関する国の支出(自治体への補助金を除く。)は、24年度2億余円、25年度1億余円、26年度128億余円、27年度357億余円(いずれも決算額)、28年度497億余円(予算現額)、29年度122億余円(当初予算額)と多額に上っている。

そこで、会計検査院は、国の行政機関等におけるマイナンバー制度関連システムの整備等の状況について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、次の点に着眼して検査した。

ア マイナンバー制度関連システムの整備は、関係法令等の趣旨に沿って適切に行われているか。また、経済的なものとなっているか。

イ マイナンバー制度関連システムにおいて、各機関による情報の管理が効率化されるよう情報連携の仕組みは適切に整備されているか。また、各機関による調整は、行政運営の効率化に資するよう適切に行われているか。

ウ マイナンバー制度関連システムの整備に当たり、特定個人情報保護評価は、情報管理の適正を確保するよう適切に実施されているか。

(2) 検査の対象及び方法

前記の国の行政機関等が整備又は運用を行う必要があるマイナンバー制度関連システムのうち、24年度から28年度(28年10月31日まで)までの補助金交付額が計100万円未満であった87機関を除く170機関の情報システム計190システムについて、その整備を含む業務等に係る契約の支払額503件、650億5451万余円を対象として、提出を受けた調書等を分析するなどして検査するとともに、36機関(注8)において、契約書、調達仕様書等の関係資料を確認するなどして会計実地検査を行った。

(注8)
36機関  内閣官房、内閣府本府、個人情報保護委員会、総務省、国税庁、文部科学省、厚生労働省、年金機構、独立行政法人日本学生支援機構、独立行政法人農業者年金基金、全国健康保険協会、衆議院共済組合、参議院共済組合、裁判所共済組合、会計検査院共済組合、内閣共済組合、総務省共済組合、法務省共済組合、刑務共済組合、外務省共済組合、財務省共済組合、文部科学省共済組合、厚生労働省共済組合、厚生労働省第二共済組合、農林水産省共済組合、林野庁共済組合、経済産業省共済組合、国土交通省共済組合、防衛省共済組合、国家公務員共済組合連合会職員共済組合、東京食品販売国民健康保険組合、東京都後期高齢者医療広域連合、健康保険組合連合会、社会保険診療報酬支払基金、国家公務員共済組合連合会、公益社団法人国民健康保険中央会