(4件 不当と認める国庫補助金 12,998,853円)
子どものための教育・保育給付費国庫負担金(以下「負担金」という。)は、教育又は保育を受ける資格を有する小学校就学前の子ども(以下「支給認定子ども」という。)に対して社会福祉法人等が設置する保育所や認定こども園等(以下、これらを合わせて「民間保育所等」という。)が教育又は保育を実施する際に、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が当該民間保育所等に対して支弁する施設型給付費等の支給等に要する費用の一部について内閣府本府が交付するものである。なお、平成26年度以前は、保育の実施を民間保育所に委託した市町村に対して、その委託に要した費用の一部を厚生労働省が児童保護費負担金等として交付していた。
負担金の交付額は、次のとおり算定することとなっている。
この費用の額及び利用者負担額は、それぞれ次のとおり算定することとなっている。
① 費用の額は、民間保育所等の所在地域、入所定員、支給認定子どもの年齢等の別に1人当たり月額で定められている額に、各月の支給認定子ども数を乗ずるなどして算出した年間の合計額による。
② 利用者負担額は、支給認定に係る保護者及びその配偶者の前年度分又は当年度分の市町村民税額等に応じて、階層別及び年齢区分別に各支給認定子どもにつき1人当たり月額で定められている利用者負担の上限額と内閣総理大臣が定める基準により年齢区分等別に月ごとに算定した支給認定子ども1人当たりの額(以下「給付単価限度額」という。)のいずれか低い額により算出した年間の合計額による。
本院が、25都道府県の193事業主体において会計実地検査を行ったところ、4都県の4事業主体において、誤って、異なる年齢区分の利用者負担の上限額と給付単価限度額とを比較して低い額となる給付単価限度額を利用者負担額とするなどしており、利用者負担額を過小に算定するなどしていたため、国庫負担対象事業費が過大に精算されていて、負担金計12,998,853円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において利用者負担額の算定に当たり制度の理解が十分でなかったことなど、都県において事業実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
東京都港区は、民間保育所Aの平成27年4月の3歳児の利用者負担額の算定に当たり、本来、3歳児の年齢区分の利用者負担の上限額と給付単価限度額とを比較して低い額となる給付単価限度額を利用者負担額とすべきところ、誤って、4歳以上児の年齢区分である利用者負担の上限額と給付単価限度額とを比較して低い額となる給付単価限度額を利用者負担額として算定を行うなどしていたことにより、民間保育所Aに係る利用者負担額が1,757,860円過小となっていた。
そして、同区では、このように適用する年齢区分を誤って利用者負担額を過小に算定していた事態が、上記を含め25民間保育所等について見受けられるなどしており、国庫負担対象事業費計15,967,470円が過大に精算されていて、これに係る負担金相当額計7,983,735円が過大となっていた。
以上を部局等別に示すと次のとおりである。
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(21) | 東京都 | 港区 | 子どものための教育・保育給付費国庫負担金 | 27 | 1,204,378 | 602,189 | 15,967 | 7,983 |
(22) | 福井県 | 坂井市 | 同 | 28 | 1,029,211 | 514,605 | 3,658 | 1,829 |
(23) | 奈良県 | 五條市 | 同 | 27 | 148,261 | 74,130 | 2,194 | 1,097 |
(24) | 宮崎県 | 宮崎市 | 同 | 27 | 9,554,128 | 4,777,064 | 4,177 | 2,088 |
(21)―(24)の計 | 11,935,980 | 5,967,990 | 25,997 | 12,998 |