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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第2 総務省|
  • 平成28年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金及び無線システム普及支援事業費等補助金により防災を目的として通信設備等を整備する事業における設備機器等の耐震性の確保について


平成28年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

総務省は、地方公共団体、放送事業者等の事業主体が防災を目的として実施する事業のうち、災害発生時の情報提供のための通信設備等を整備するなどの事業等に対して、地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金及び無線システム普及支援事業費等補助金を交付している。両補助金の対象となる防災を目的として整備される通信設備等は、複数の設備機器を収容架に収容するなどして設置されている(以下、設備機器と収容架を合わせて「設備機器等」という。)。総務省は、補助金交付要綱等において設備機器等の耐震性については明確に示しておらず、事業主体自らが、関係法令等の趣旨を踏まえて、その耐震性を確保する必要性や設置工法等について検討した上で設置すべきとしている。しかし、事業主体が設備機器等の設置に当たって地震時に機能を発揮できるように耐震性を確保する必要があるとしていながらその設置工法等について請負会社等に十分検討させないまま設置工事を実施したことにより、必要としている設備機器等の耐震性が確保されていない事態が見受けられた。

したがって、総務省において、事業主体に対して、防災を目的として整備する通信設備等を構成する設備機器等の耐震性を確保するための検討事例や耐震設計上の留意点等を示すなどして、事業主体にこれらに基づくなどして耐震性を確保するための検討を行わせるよう、総務大臣に対して平成29年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、総務本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、総務省は、本院指摘の趣旨に沿い、29年12月に各総合通信局等に対して事務連絡を発して、各総合通信局等を通じて補助金の交付申請者等に対して防災を目的として整備する通信設備等を構成する設備機器等の耐震性を確保するための検討事例や耐震設計上の留意点等を示すとともに、30年6月までに、補助事業の執行に当たり事業主体が参照すべきマニュアルを改定して上記事務連絡の内容を記載するなどして、事業主体に設備機器等の耐震性を確保するための検討を行わせる処置を講じていた。