環境省は、国際・国内会議の開催に係る業務や、調査、啓発活動、広報活動等に係る業務(以下、これらを合わせて「会議開催等業務」という。)を民間事業者等に請け負わせて実施している(以下、これらの民間事業者等を「請負人」という。)。そして、環境省は、会議開催等業務に係る契約の仕様書に、請負人に実施させる業務の具体的な内容として、会議等の開催回数等を詳細に記載することにしており、契約を履行させるに当たり、請負人に実施させる業務の内容に変更が必要となった場合には、支出負担行為担当官が契約条項に基づいて適宜仕様書等を変更することができることにしている。しかし、会議開催等業務に係る29件の契約において、実際の会議等の開催回数等が、いずれも仕様書等に記載された数量を下回っており、請負人により実施された業務と仕様書等に記載された業務がかい離している状況となっていて、仕様書等に記載された業務の具体的な内容等を変更する必要が生じているのに、支出負担行為担当官による必要な仕様書及び契約の変更の手続が行われていない事態が見受けられた。
したがって、環境省において、会議開催等業務に係る契約の締結に当たり、請負人に実施させる業務の具体的な内容の変更に応じて仕様書及び契約を変更するために必要な手続等を定めたマニュアル等を整備して、これらを業務の実施部局に周知徹底することにより、会議開催等業務に係る契約を適時適切に変更して、契約額が実施された業務に即したものとなるよう、環境大臣に対して平成29年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、環境本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、環境省は、本院指摘の趣旨に沿い、会議開催等業務に係る契約を適時適切に変更して、契約額が実施された業務に即したものとなるよう、大臣官房会計課において、仕様書及び契約の変更に必要な手続等を定めたマニュアルを整備し、30年9月に業務の実施部局に対して通知を発して、当該マニュアルの内容を周知徹底する処置を講じていた。