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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第15 国立研究開発法人産業技術総合研究所|
  • 平成28年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

事務用品等の調達について


平成28年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「研究所」という。)は、研究拠点等で使用する文具・事務用品、理化学用品、試薬、電子部品、書籍及び雑貨用品(以下「事務用品等」という。)の6種類の調達をインターネットを利用して行っており、事務用品等の種類ごとに調達契約を締結している。国立研究開発法人産業技術総合研究所会計規程(以下「会計規程」という。)等によれば、概算見積額が100万円を超えない契約を締結するときは、予定価格の作成を省略することができることとされており、予定価格が160万円を超えない財産を買い入れるときなどは、随意契約によることができることとされている。そして、研究所は、単価契約を締結する場合に、予定価格の作成を省略できるかどうかは、1品目当たりの単価ではなく、当該単価に調達すべき数量を乗じて算定した概算見積額が100万円を超えていないかにより、また、随意契約によることができるかどうかは、1品目当たりの単価の予定価格ではなく、当該単価の予定価格に調達すべき数量を乗じて算定した支払予定総額が160万円を超えていないかにより、それぞれ判断するとしている。さらに、研究所は、政府調達に関する協定(平成7年条約第23号。以下「協定」という。)等の適用対象となる機関とされており、協定等の適用対象となる調達を行うに当たっては、原則として一般競争に付することとなっている。しかし、事務用品等の調達契約を締結するに当たり、支払予定総額に当たるものとして参考となる調達契約締結の前年度における事務用品等の契約の支払額がいずれも160万円を超えていて、中には協定等の適用対象となるものもあったにもかかわらず、研究所において、協定等や会計規程等に基づくことなく、予定価格の作成を省略したり、一般競争に付するなどの契約手続を行っていなかったりしている事態が見受けられた。

したがって、研究所において、契約手続を協定等や会計規程等に基づいて適切に行うよう担当職員に周知徹底し、事務用品等の調達契約について、同一規格で大量に購入することが見込まれる品目であって単価に調達すべき数量を乗じて算定した概算見積額が100万円を超えるときは、単価について予定価格を定めて、これに調達すべき数量を乗ずるなどして契約期間における支払予定総額を算定し、これが160万円を超える場合は、一般競争に付するなどの協定等や会計規程等に基づく適正な契約手続を行うよう、国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長に対して平成29年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、研究所つくば本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、研究所は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 29年9月及び同年11月に開催した担当職員等を対象とした会議において、契約手続を協定等や会計規程等に基づいて適切に行うよう周知徹底した。

イ インターネットを利用した事務用品等の調達契約について、30年度から、実績があるなどして同一規格で大量に調達することが見込まれる品目であって単価に調達すべき数量を乗じて算定した概算見積額が100万円を超えるときは、単価について予定価格を定めて、これに調達すべき数量を乗ずるなどして契約期間における支払予定総額を算定し、これが160万円を超える場合は、一般競争に付するなどの契約手続を行うこととした。