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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第20 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構|
  • 平成28年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

国家備蓄施設における備蓄機器の部品の調達等について


平成28年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」という。)は、国の委託を受けて、石油の備蓄の確保等に関する法律(昭和50年法律第96号)に規定する国家備蓄石油及び国家備蓄施設(以下「備蓄基地」という。)を管理しており、備蓄基地の管理等に係る業務の一部を、備蓄基地の運営、保守管理等の業務を実施することを目的として設立されるなどした株式会社(以下「操業会社」という。)に委託している。そして、操業会社は、施設管理業務の一環として、故障等が生じた原油ポンプ等の機器等(以下「備蓄機器」という。)の部品と交換するために保管することにしている部品(以下「予備部品」という。)の調達、保管等を行っている。しかし、予備部品の一部は、保管する必要がなかったり、保管する必要がある数量を超過していたりするもの(以下「余剰部品」という。)であると認められるのに、機構において、各備蓄機器に必要な予備部品の品目及び数量を設定しておらず余剰部品の存在を把握しないまま、操業会社に余剰部品を活用させることなく同一品目の部品を別途調達させている事態が見受けられた。

したがって、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構理事長に対して平成29年10月に、会計検査院法第36条の規定により次のとおり改善の処置を要求した。

  • ア 操業会社に対して、予備部品として保管する必要性及び数量を判断する際の要件を示して、これに沿って各備蓄機器に必要な予備部品の品目及び数量を設定させること
  • イ 操業会社に対して、部品を交換する必要が生じた場合には同一品目の余剰部品を優先的に使用するよう求めるなど、余剰部品の有効活用を図るための指示を行うこと
  • ウ 必要な予備部品及び余剰部品の品目や数量、その使用先となる備蓄機器の名称等の情報を操業会社に報告させて、その情報を基に管理台帳を整備して、予備部品の活用状況について定期的に確認すること

2 当局が講じた処置

本院は、機構本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、29年11月に操業会社に対して指示文書を発するなどして、次のような処置を講じていた。

ア 操業会社に対して、予備部品として保管する必要性及び数量を判断する際の要件を示して、これに沿って各備蓄機器に必要な予備部品の品目及び数量を設定させた。

イ 操業会社に対して、備蓄機器の補修等において部品を交換する必要が生じた場合には、同一品目の余剰部品を優先的に使用して、余剰部品の有効活用を図るよう指示した。

ウ 必要な予備部品及び余剰部品の品目や数量、その使用先となる備蓄機器の名称等の情報を記載する管理台帳の様式を定めて、操業会社に対して、当該様式に沿った管理台帳を作成させて、毎年度提出させることなどにより、必要な予備部品及び余剰部品の管理状況を把握するとともに、予備部品の活用状況について定期的に確認することとした。