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  • 平成30年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第2 内閣府(内閣府本府)|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (1) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

子ども・子育て支援交付金(地域子育て支援拠点事業に係る分)を過大に交付していたもの[長崎県](5)


(1件 不当と認める国庫補助金 5,422,000円)

地域子育て支援拠点事業(以下「拠点事業」という。)は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)等に基づき、市町村(特別区及び一部事務組合を含む。)が実施主体となり、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所(以下「地域子育て支援拠点」という。)を開設して、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行うものである。

そして、国は市町村(特別区を含む。)に対して、子ども・子育て支援交付金(地域子育て支援拠点事業に係る分)(以下「交付金」という。)を交付して、拠点事業に要する費用の一部を補助している。

 「地域子育て支援拠点事業の実施について」(平成26年雇児発0529第18号。以下「実施要綱」という。)等によれば、拠点事業の実施に当たっては、開設時間中に専任の者を2名以上配置することなどが実施要件とされている。

 「平成27年度子ども・子育て支援交付金の交付について」(平成27年府子本第277号内閣総理大臣通知)等によれば、交付金の額は、地域子育て支援拠点の開設日数等の区分により定められた基準額と対象経費の実支出額を比較して少ない方の額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額(以下「基本額」という。)に国の負担割合3分の1を乗ずるなどして得た額とすることとされている。

本院が、20道府県の68市町村において会計実地検査を行ったところ、1市において、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(5)
長崎県
大村市
子ども・子育て支援交付金(地域子育て支援拠点) 27、28 118,700 39,566 16,265 5,422

大村市は、平成27、28両年度に、8か所の地域子育て支援拠点において開設時間中に専任の者を2名以上配置するなどして拠点事業を実施したとして、拠点事業に係る基本額を計118,700,000円として長崎県に事業実績報告書を提出して、これにより交付金計39,566,000円の交付を受けていた。

しかし、同市は、交付金の交付額の算定に当たり、1か所の地域子育て支援拠点において、開設時間中に専任の者を2名以上配置しておらず実施要件を満たしていないのに、これに係る基準額を拠点事業全体の基準額に含めていたため、基本額が過大に算定されていた。

したがって、27、28両年度の適正な基本額を算定すると計102,435,000円となることから、前記の基本額118,700,000円との差額16,265,000円が過大になっており、これに係る交付金5,422,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において実施要綱等の理解が十分でなかったこと、長崎県において事業実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。