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  • 平成30年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (3) 補助の対象とならないもの

地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)により実施した事業の交付対象事業費に交付の対象とならない費用を含めていたもの[内閣府本府](10)


(1件 不当と認める国庫補助金 15,700,315円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(10) 内閣府本府
島根県
地域活性
化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)
27 56,283 55,812 15,700 15,700

この交付金事業は、島根県が、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)制度要綱(平成27年府地創第21号。以下「制度要綱」という。)等に基づき、UIターンを含め安心して就農し定着できる体制を整備するために、「新たな農業者の就業・定着総合対策事業」(以下「総合対策事業」という。)を実施したものである。

制度要綱等によれば、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)(以下「交付金」という。)は、都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略等の円滑な策定とこれに関する優良施策の実施を支援することを目的として、地方公共団体が作成した「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)実施計画」(以下「実施計画」という。)に基づく事業に要する費用について、地方公共団体が負担する費用に対してその全部又は一部を国が交付するものとされている。

交付金の交付対象となる事業については、制度要綱等において、実施計画を作成する地方公共団体が実施計画に基づく事業の実施に要する費用の全部又は一部を負担するものであることなどが定められている。

同県は、総合対策事業について、平成27年4月から28年3月までを事業実施期間とする実施計画を内閣府本府に提出した上で、当該実施計画に基づき、事業費56,283,631円(交付対象事業費同額)で実施したとして内閣府本府に実績報告書を提出して、確認及び額の確定を受け、内閣府本府から交付金55,812,913円の交付を受けていた。そして、総合対策事業のうちの1事業として、島根県農業協同組合等が整備したビニールハウス等を農業者にリースする際に、同県は、リース料の一部を軽減する事業(以下「リース料軽減事業」という。)を15,788,000円で実施したとしていた。

しかし、同県がリース料軽減事業の対象とした15,788,000円のうち15,700,315円は、実施計画で定めた事業実施期間外である28年4月から最長で41年2月までの間のリース料の一部に充当するとされたものであり、交付金の交付の対象となる実施計画に基づく事業に該当しないものであった。

したがって、リース料軽減事業のうち事業実施期間中に実施されていなかったものに係る費用15,700,315円は交付の対象とは認められず、これに係る交付金相当額15,700,315円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において交付金の制度に対する理解が十分でなかったこと、内閣府本府において事業に係る交付金の額の確定時の審査が十分でなかったことなどによると認められる。