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  • 平成30年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 文部科学省|
  • 不当事項|
  • 補助金

(11) 沖縄振興公共投資交付金(学校施設環境改善に関する事業)が過大に交付されていたもの[文部科学本省](45)


1件 不当と認める国庫補助金 1,094,000円

沖縄振興公共投資交付金(学校施設環境改善に関する事業)(以下「交付金」という。)は、沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)、沖縄振興公共投資交付金交付要綱(学校施設環境改善に関する事業)(平成24年文部科学大臣決定。以下「交付要綱」という。)等に基づき、沖縄県が作成する沖縄振興交付金事業計画によって実施される学校施設環境改善に関する事業(市町村が同県を通じて間接に交付金の交付を受けて実施するものを含む。)に要する経費に充てるために、国が同県に対して交付するものである。

交付金の交付額は、交付要綱等によれば、沖縄振興交付金事業計画に記載された事業のうち、算定の対象となる事業(以下「交付対象事業」という。)ごとに文部科学大臣が定める方法により算出した配分基礎額に交付対象事業の種別に応じて同大臣が定める割合(以下「算定割合」という。)を乗ずるなどして得た額の合計額と、交付対象事業に要する経費の額(以下「交付対象工事費」という。)に算定割合を乗じて得た額(以下「算定後交付対象工事費」という。)の合計額のうち、いずれか少ない額を基礎として算定することとされている。

交付要綱等によれば、交付対象事業のうち、屋外教育環境の整備に関する事業(以下「屋外環境整備事業」という。)については、小学校等の屋外教育環境施設(屋外運動場のための施設等)の整備に要する経費を交付対象とすることとされており、算定割合は2分の1とされている。また、屋外環境整備事業における工事費は1校当たり6000万円を限度とすることとされている。これにより、屋外環境整備事業における交付対象工事費の上限額は6000万円となり、算定後交付対象工事費の上限額は6000万円に算定割合2分の1を乗じて得た3000万円となる。

本院が、同県及び同県の7市町村において会計実地検査を行ったところ、1市において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者 間接補助事業者(事業主体)
年度
交付金の交付額 不当と認める交付金の交付額
摘要
          千円 千円  
(45) 文部科学本省
沖縄県
うるま市
28、29 99,651 1,094 算定後交付対象工事費が交付対象となる上限額を超えていたもの

うるま市は、平成28、29両年度に、高江洲小学校及び天願小学校の屋外環境整備事業(以下「両事業」という。)等を実施し、交付金99,651,000円の交付を受けていた。

同市は、両事業における交付対象工事費75,624,000円及び72,718,000円に算定割合2分の1をそれぞれ乗じて得た37,812,000円及び36,359,000円を両事業における算定後交付対象工事費としていた。

しかし、上記の算定後交付対象工事費37,812,000円及び36,359,000円は、いずれも前記の屋外環境整備事業における算定後交付対象工事費の上限額を超えていたことから、両事業の適正な算定後交付対象工事費はいずれも30,000,000円となる。

したがって、両事業の上記の適正な算定後交付対象工事費により交付金の交付額を算定すると98,557,000円となることから、交付金1,094,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において交付金の交付額の算定方法についての理解が十分でなかったこと、同県において同市から提出された実績報告書等に対する審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。