1件 不当と認める国庫補助金 1,540,000円
医療施設運営費等補助金(専門医認定支援事業に係る分)(以下「国庫補助金」という。)は、「医療施設運営費等補助金及び中毒情報基盤整備事業費補助金の国庫補助について」(平成23年厚生労働省発医政0331第31号。以下「交付要綱」という。)等に基づき、専門医の質の一層の向上や医療提供体制の改善を図ることを目的として、専門医認定支援事業として専門医の養成プログラム(以下「プログラム」という。)の作成事業を実施する病院等に対して都道府県が事業に要する経費を補助する場合等に、その費用の全部又は一部を国が補助するものである。
交付要綱によれば、プログラムの作成事業に係る補助対象経費はプログラム作成者及びその補助者に係る人件費等とされている。また、国庫補助金の交付額は、基準額と対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額に2分の1を乗ずるなどした額とすることとされている。
そして、上記の基準額はプログラムを作成した1診療領域当たりの額とされており、一つの病院等で複数の診療領域を申請することができるが、1名の補助者が兼任するなどの場合は対象経費の実支出額が重複計上とならないよう注意することとなっている。
本院が、3県(注)の4事業主体において会計実地検査を行ったところ、1県の1事業主体において、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。
部局等 |
補助事業者 | 間接補助事業者 (事業主体) |
年度 |
国庫補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める国庫補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金交付額 | 摘要 |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(67) | 福岡県 |
福岡県 |
社会医療法人大成会福岡記念病院 | 28 | 8,815 | 4,403 | 3,083 | 1,540 | 対象経費の実支出額を過大に算定していたもの |
社会医療法人大成会福岡記念病院(以下「福岡記念病院」という。)は、平成28年度に実施したプログラムの作成事業の対象経費の実支出額について、同一の1名の事務職員が補助者として内科、外科等の診療領域ごとの七つのプログラム作成業務を兼任していたのに、誤って、同人が七つのプログラム作成業務に従事した合計時間を、七つのプログラムそれぞれの作成業務に従事した時間として重複計上するなどして人件費を過大に算定していた。この結果、補助対象事業費が3,083,950円過大に精算されるなどしていて、これに係る国庫補助金1,540,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、福岡記念病院において、国庫補助金の交付額の算定に当たり、対象経費の実支出額の確認が十分でなかったことなど、福岡県において福岡記念病院から提出された実績報告書の審査及び確認が十分でなかったこと、厚生労働省において同県に対する指導が十分でなかったことによると認められる。