5件 不当と認める国庫補助金 45,991,089円
障害者自立支援給付費負担金(以下「負担金」という。)は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(平成17年法律第123号)に基づき、障害者及び障害児の福祉の増進を図ることなどを目的として、市町村(特別区を含む。)が、都道府県知事等の指定する障害福祉サービス事業者等から居宅介護等の障害福祉サービス等を受けた障害者又は障害児の保護者に対して、介護給付費、訓練等給付費等(以下「自立支援給付費」という。)を支給した場合に、その支給に要する費用の一部を国が負担するものである。
負担金の交付額は、次のとおり算定することとなっている。
① 所定の方式により算定した基準額と、自立支援給付費の支給に要した費用(以下「対象経費の実支出額」という。)から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
② ①により選定された額を国庫負担対象事業費として、これに100分の50を乗じて得た額を交付額とする。
本院が、24都道府県の202事業主体において会計実地検査を行ったところ、4都県の5事業主体において、負担金の交付額の算定に当たり、誤って、対象経費の実支出額に対象とならない経費を計上するなどしていたため、負担金計45,991,089円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、5事業主体において国庫負担対象事業費の額の確認が十分でなかったこと、4都県において事業実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
愛知県安城市は、対象経費の実支出額の算定に当たり、自立支援給付費に該当せず負担金の交付対象とならない障害児相談支援給付費を誤って計上するなどしていたため、平成28、29両年度の対象経費の実支出額を過大に算定するなどしていた。
この結果、国庫負担対象事業費が計45,362,065円過大に算定されており、これに係る負担金計22,681,031円が過大に交付されていた。
以上を部局等別・事業主体別に示すと、次のとおりである。
部局等 |
補助事業者 (事業主体) |
年度 |
国庫負担対象事業費 | 左に対する国庫負担金交付額 | 不当と認める国庫負担対象事業費 | 不当と認める国庫負担金交付額 | 摘要 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(115) | 東京都 |
北区 |
29 | 5,406,327 | 2,703,163 | 22,696 | 11,348 | 基準額を過大に算定していたものなど |
(116) | 神奈川県 | 川崎市 |
29 | 15,772,182 | 7,886,091 | 9,745 | 4,872 | 対象外経費を計上していたもの |
(117) | 愛知県 |
安城市 |
28、29 | 3,874,109 | 1,937,054 | 45,362 | 22,681 | 対象外経費を計上していたものなど |
(118) | 兵庫県 |
尼崎市 |
26、27 | 14,584,940 | 7,292,470 | 11,016 | 5,508 | 基準額を過大に算定していたものなど |
(119) | 同 | 明石市 |
29 | 4,114,642 | 2,057,321 | 3,162 | 1,581 | 対象経費の実支出額の集計を誤っていたものなど |
(115)―(119)の計 | 43,752,203 | 21,876,101 | 91,982 | 45,991 |