2件 不当と認める国庫補助金 4,844,226円
障害児入所給付費等負担金(以下「負担金」という。)は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に基づき、障害児の福祉の向上を図ることなどを目的として、都道府県又は市町村(特別区を含む。以下同じ。)が、都道府県知事等の指定する障害児入所施設又は障害児通所支援事業者等(以下「事業者等」という。)から障害児入所支援又は障害児通所支援を受けるなどした障害児の保護者等に対して、障害児入所給付費、障害児通所給付費等(以下「障害児入所給付費等」という。)を支給した場合に、その支給に要する費用の一部を国が負担するものである。
都道府県又は市町村が支給する障害児入所給付費等の額は、厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(以下「総費用額」という。)から、保護者の家計の負担能力その他の事情をしんしゃくして政令で定める負担の上限額等(以下「利用者負担額」という。)を控除して得た額(以下「実支出額」という。)となっている。
そして、負担金の交付額は、実支出額から寄附金その他の収入額を控除して得た額等を国庫負担対象事業費として、これに2分の1を乗ずることにより算定することとなっている。
本院が、24都道府県の226事業主体において会計実地検査を行ったところ、1県の2事業主体において、障害児入所給付費等の国庫負担対象事業費の算定に当たり、誤って、総費用額から控除することとされている利用者負担額を控除しないで実支出額を計上するなどしていた。この結果、国庫負担対象事業費が9,688,451円過大に算定されており、これに係る負担金4,844,226円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2事業主体において国庫負担対象事業費の額の確認が十分でなかったこと、県において事業実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
神戸市は、平成28年度の障害児入所給付費等の国庫負担対象事業費の算定に当たり、誤って、総費用額から控除することとされている利用者負担額を控除しないで実支出額を計上していたり、事業者等から返還された額を実支出額から減額していなかったりなどしていた。
この結果、国庫負担対象事業費が5,775,588円過大に算定されており、これに係る負担金2,887,794円が過大に交付されていた。
以上を事業主体別に示すと、次のとおりである。
部局等 |
補助事業者 (事業主体) |
年度 |
国庫負担対象事業費 | 左に対する国庫負担金交付額 | 不当と認める国庫負担対象事業費 | 不当と認める国庫負担金交付額 | 摘要 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(120) | 兵庫県 |
神戸市 |
28 | 4,611,146 | 2,305,573 | 5,775 | 2,887 | 利用者負担額を控除していなかったものなど |
(121) | 同 | 尼崎市 |
25、26、28、29 | 4,321,106 | 2,160,553 | 3,912 | 1,956 | 寄附金その他の収入額を控除していなかったもの |
(120)(121)の計 | 8,932,253 | 4,466,126 | 9,688 | 4,844 |