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  • 平成30年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 経済産業省|
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  • (6) 補助金により造成した基金の使用が適切でなかったもの

ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金により造成した基金を用いた事業の実施に当たり、基金補助事業の対象事業費を過大に精算していたもの[中小企業庁](189)


(1件 不当と認める国庫補助金 4,400,000円)

 
部局等
補助事業者等(所在地)
間接補助事業者等
(所在地)
補助事業等
年度
事業費
補助対象事業費等
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める補助対象事業費等 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(189) 中小企業庁
全国中小企業団体中央会
(東京都中央区)
株式会社ひよこ会
(宮城県岩沼市)
〈事業主体〉
ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援 27、28 15,468
(14,372)
8,848 7,699 4,400

この補助事業は、我が国製造業等を支えるものづくり産業基盤等の底上げを図ることなどを目的として、平成24年度から26年度までの各年度に、全国中小企業団体中央会(以下「基金設置法人」という。)が、中小企業庁からものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金の交付を受けて、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援基金を造成したものである。基金設置法人は、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金交付要綱(20130227財中第8号)等に基づき、試作品の開発や設備投資等を行う中小企業者等に対して、機械装置費等を対象として、基金を取り崩して補助金(以下「基金補助金」という。)を交付している。また、基金設置法人は、基金補助金の交付を受けて宮城県内において実施する事業(以下「基金補助事業」という。)に係る公募、交付決定、基金補助事業の実施者に対する確定検査等の事務を、中小企業庁が公募により選定した事業者(宮城県中小企業団体中央会。以下「受託事業者」という。)に委託している(図参照)。

事業主体は、障害者の就労支援を兼ねた小豆等の栽培及びそれらを使用した菓子の試作・開発を行うために、27、28両年度に、冷蔵庫、オーブン等の機械装置を購入するなどの基金補助事業を、事業費15,468,690円(基金補助対象事業費14,372,730円)で実施したとする実績報告書を受託事業者に提出し、受託事業者による確定検査を受けた上で、基金補助金8,848,820円(国庫補助金相当額同額)の交付を受けていた。

しかし、事業主体は、上記機械装置の購入費等について、虚偽の請求書等を取引業者に作成させるなどして基金補助対象事業費を水増ししていた。

したがって、真正な請求書等に基づいて適正な基金補助対象事業費を算定すると6,673,230円となり、前記の基金補助対象事業費14,372,730円との差額7,699,500円が過大に精算されていて、これに係る取り崩された基金4,400,000円(国庫補助金相当額同額)の使用が適切でなく、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において基金補助事業の適正な執行に対する認識が著しく欠けていたこと、受託事業者における事業主体に対する指導並びに実績報告書等の審査及び確認が十分でなかったのに基金設置法人において受託事業者に対する指導及び監督が十分でなかったことなどによると認められる。

図 事業執行の主な枠組み

図 事業執行の主な枠組み 画像