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  • 平成30年度|
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  • (7) 補助金の交付の必要がなかったもの

中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金の交付の必要がなかったもの[東北経済産業局](190)


(1件 不当と認める国庫補助金 3,385,709円)

 
部局等
補助事業者等(所在地)
間接補助事業者等
(所在地)
補助事業等
年度
事業費
補助対象事業費等
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める補助対象事業費等 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(190) 東北経済産業局
宮城県
A
(宮城県石巻市)
〈事業主体〉
中小企業組合等共同施設等災害復旧 25~27 31,960
(30,788)
3,385 5,078 3,385

(注) 事業主体名のアルファベットは、個人事業者を示している。

この補助事業は、東日本大震災に係る被災地域の復旧及び復興を促進することを目的として、中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金の交付を受けた宮城県が、施設及び設備の復旧・整備を行う中小企業等グループ又はその構成員に対して、これに要する経費の一部を補助するものである。

本件補助事業に係る交付要綱等によれば、補助の対象となるのは、中小企業等グループ又はその構成員の施設及び設備であって、東日本大震災により損壊等したもののうち、中小企業等グループが復興事業計画に基づき事業を行うのに不可欠な施設及び設備の復旧・整備に要する経費とされている。そして、同県は、施設及び設備に対して、保険金が支払われた部分について重ねて補助金を交付することはできないこととしている。

中小企業等グループの構成員である事業主体は、東日本大震災で損壊した語学教室施設兼住宅(語学教室施設の床面積割合54.71%)のうち語学教室施設の建替えによる復旧に要した事業費31,960,000円(補助対象事業費30,788,387円)について、補助対象事業費30,788,387円から公共事業による用地の取得に伴い支障となる建物の移転に係る損失補償金25,709,823円を控除した5,078,564円に対して国庫補助金3,385,709円の交付を受けていた。

しかし、事業主体は、語学教室施設兼住宅が被災したことにより損害保険金10,000,000円を受け取っていたことから、語学教室施設に対する同保険金を補助対象事業費から控除すべきであった。

したがって、同保険金10,000,000円に語学教室施設の床面積の割合54.71%を乗じた5,471,000円と前記の損失補償金25,709,823円とを合計すると31,180,823円となり、補助対象事業費30,788,387円を超過することから、国庫補助金3,385,709円は交付の必要がなかったものであり、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において施設及び設備に対して保険金が支払われた部分について重ねて補助金を受給することはできないことに対する理解が十分でなかったこと、同県において本件補助事業の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。