(7件 不当と認める国庫補助金 122,044,451円)
部局等 |
補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 | 摘要 |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(192) | 青森県 |
青森県 |
防災・安全交付金(河川) | 25~28 | 82,850 (82,850) |
41,425 | 19,176 (19,176) |
9,588 | 減価相当額及び処分利益等額を誤っていたもの(通信線等) |
(193) | 三重県 |
度会郡玉城町 | 社会資本整備総合交付金 (下水道) 、(効果促進) |
25、26 | 37,380 (37,380) |
18,690 | 11,377 (11,377) |
5,688 | 減価相当額を誤っていたもの(配水管等) |
(194) | 山口県 |
下関市 |
防災・安全交付金(下水道) | 28、29 | 30,444 (30,444) |
15,222 | 2,449 (2,449) |
1,224 | 減価相当額を誤っていたもの(通信線等) |
(195) | 大分県 |
中津市 |
水質保全下水道事業費補助、社会資本整備総合交付金 (下水道) |
21、 23~30 |
325,313 (210,330) |
105,165 | 145,421 (92,235) |
46,117 | 減価相当額を誤るなどしていたもの(配水管等) |
(196) | 同 | 佐伯市 |
社会資本整備総合交付金 (下水道) 、防災・安全交付金(同) |
26~30 | 253,844 (210,835) |
105,417 | 131,071 (108,706) |
54,353 | 同 |
(197) | 同 | 津久見市 |
未普及解消下水道事業費補助、社会資本整備総合交付金 (下水道) 、(効果促進) |
21~23、 27~30 |
14,028 (13,636) |
6,818 | 4,959 (4,845) |
2,422 | 同 |
(198) | 同 | 豊後高田市 | 未普及解消下水道事業費補助、社会資本整備総合交付金 (下水道) |
22、 25~27 |
10,021 (9,049) |
4,524 | 5,989 (5,298) |
2,649 | 同 |
(192)―(198)の計 | 753,883 (594,525) |
297,262 | 320,444 (244,088) |
122,044 |
これらの交付金事業等は、河川事業又は下水道事業において、事業を行う上で支障となる通信線、配水管等の所有者である電気通信事業者又は水道事業者に対し、移設に要する費用を補償するものである。
事業主体は、本件補償費の算定について、「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」(昭和42年閣議決定)、「公共補償基準要綱の運用申し合せ」(昭和42年用地対策連絡会。以下、これらを合わせて「公共補償基準」という。)等に基づき行うこととしている。
公共補償基準等によれば、公共事業の施行に伴い、既存公共施設等の管理者が、機能の廃止等が必要となる既存公共施設等の代替の公共施設等を建設する場合においては、当該公共施設等を建設するために必要な費用から、既存公共施設等の機能廃止の時までの財産価値の減耗分(以下「減価相当額」という。)並びに既存公共施設等を売却することなどにより得るであろう処分利益及び発生材価格(以下「処分利益等額」という。)を控除するなどして補償費を算定することとされている。そして、当該公共施設等を建設するために必要な費用は、原則として、既存公共施設等と同等の公共施設等を建設することにより機能回復を行う費用(以下「復成価格」という。)とされ、減価相当額については、既存公共施設等の復成価格に基づき、経過年数、残価率等を考慮して算定することとされている。
しかし、1県及び6市町において、補償費の算定に当たり、復成価格の算定や表計算ソフトへの残価率の入力を誤るなどして減価相当額を誤っていたり、処分利益等額を控除していなかったりなどしていたため、補償費が計320,444,820円過大に算定されていて、これらに係る交付金等相当額計122,044,451円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、1県及び6市町において、補償費の算定に当たり、公共補償基準等における減価相当額及び処分利益等額の取扱いなどについての理解が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例1>
青森県は、二級河川天田内川(あまだないがわ)総合流域防災工事による捷水路(しょうすいろ)(注1)の整備に伴い支障となる県道234号線沿いの架空線、道路下に埋設された通信線等の所有者である電気通信事業者に対し、これら通信線等の移設に要する費用の補償として計82,850,800円(交付対象事業費同額、交付金交付額計41,425,399円)を支払っている。
同県は、本件補償費の算定において、通信線等を建設するための費用から控除する減価相当額を、仮設の通信線等の材料費を基に算定するなどして計14,460,208円としていた。また、処分利益等額の一部を控除していなかった。
しかし、公共補償基準等によれば、減価相当額は、既存の通信線等と同等の通信線等の復成価格に基づいて算定することとされていることから、仮設の通信線等の材料費を基に算定するのではなく、既存の通信線等と同等の通信線等の材料費、設置費、諸経費(注2)等の建設費から成る復成価格に基づいて算定すべきであり、また、処分利益等額は、その全額を控除すべきであった。
したがって、既存の通信線等と同等の通信線等の復成価格を基に算定した減価相当額計26,400,814円及び処分利益等額全額を控除するなどして適正な補償費を算定すると63,674,422円となる。このため、本件補償費82,850,800円は、これに比べて19,176,378円(これに係る交付金相当額9,588,189円)過大となっていた。
<事例2>
佐伯市は、平成29、30両年度に藤原地区枝線整備工事による下水道の整備に伴い支障となる配水管等の所有者である佐伯市水道事業者に対し、配水管等の移設に要する費用の補償として38,145,600円(交付対象事業費34,628,040円、交付金交付額17,314,020円)を支払っている。
同市は、本件補償費の算定において、水道事業者と移設補償に関する協定を締結しており、同協定に基づくなどして、復成価格を移設に当たり使用する配水管等の主材料費及び設置労務費から算定した額9,179,115円とし、これに基づいて配水管等を建設するための費用から控除する減価相当額を7,902,000円と算定するなどしていた。
しかし、公共補償基準等によれば、減価相当額は、既存の配水管等と同等の配水管等の復成価格に基づいて算定することとされていることから、移設に当たり使用する配水管等の主材料費及び設置労務費のみから算定するのではなく、既存の配水管等と同等の配水管等の材料費、設置労務費、諸経費等の建設費から成る復成価格に基づいて算定すべきであった。
したがって、既存の配水管等と同等の配水管等の復成価格を基に算定した減価相当額25,744,126円を控除するなどして適正な補償費を算定すると12,185,924円となり、本件補償費38,145,600円は、これに比べて25,959,676円(これに係る交付金相当額11,716,013円)過大となっていた。