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  • 平成30年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (1) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

機器の設計数量を誤ったため、契約額が割高となっていたもの[鹿児島県](203)


(1件 不当と認める国庫補助金 17,815,770円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(203) 鹿児島県
鹿児島県
社会資本整備総合交付金
(河川)
28、29 404,780
(316,537)
126,370 57,066
(44,625)
17,815

この交付金事業は、鹿児島県が、南九州市川辺町神殿地内で管理している川辺(かわなべ)ダムにおいて、ダムの管理用電力を自給する水力発電設備を整備するために、水車、発電機、発電機を制御する発電機制御盤(以下「制御盤」という。)等の機器を購入して据え付けるなどしたものである。

同県は、本件工事の予定価格の積算に当たり、機器の単価に設計数量を乗じて機器の購入費を算定して、これに機器の据付け、調整等に要する費用を加算するなどしており、機器のうち制御盤の単価については1面当たり55,000,000円としていた。

同県は、制御盤について、構成品目のうち電圧を一定に保つための自動電圧調整装置等を制御盤の性能を満たすための主要装置とし、特記仕様書において、主要装置等を鋼製のキャビネット(以下「キャビネット」という。)に収納することとしていた。そして、特記仕様書及び機器配置図においてキャビネットを二つ据え付けることとしたのに合わせて、制御盤の設計数量も2面として、制御盤の購入費を110,000,000円と算定していた。

しかし、同県が発電設備全体や機器相互間の電気系統を示した設計図面において図示していたのは制御盤1面分の主要装置等の電気系統であって、実際の施工も制御盤1面分の主要装置等が隣り合った二つのキャビネットに分けて収納されていた。

このため、同県が、制御盤の設計数量をキャビネットの数に合わせて2面としたのは誤りであって、正しくは1面とすべきであった。

したがって、適正な制御盤の設計数量を1面とするなどして本件工事費を修正計算すると347,713,299円となることから、本件契約額404,780,000円はこれに比べて57,066,000円(交付対象事業費44,625,612円)割高となっており、これに係る交付金相当額17,815,770円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において、本件工事の予定価格の算定に係る機器の設計数量の確認が十分でなかったことなどによると認められる。