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  • 平成30年度|
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  • (3) 補助金が過大に交付されていたなどのもの

循環型社会形成推進交付金事業において、現場管理費等の算定が適切でなかったため、交付金が過大に交付されていたなどのもの[北海道](233)


(1件 不当と認める国庫補助金 22,274,000円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(233)
北海道
遠軽地区広域組合 循環型社会形成推進交付金 25~29 525,741
(455,692)
151,894 66,824
(66,824)
22,274

この交付金事業は、遠軽地区広域組合が、ごみ焼却処理に伴い生ずる熱エネルギーを有効に利用するエネルギー回収推進施設を整備する事業として、紋別郡遠軽町向遠軽(むかいえんがる)地内に所在する「えんがるクリーンセンター」において用地造成工事、給水管布設工事10工事、道路舗装工事及びポンプ場建設工事等2工事の計14工事(以下「14工事」という。)を事業費525,741,000円(交付対象事業費455,692,395円、交付金交付額151,894,000円)で実施したものである。

循環型社会形成推進交付金交付取扱要領(平成17年4月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知。以下「取扱要領」という。)によれば、交付対象事業費のうちの本工事費及び土地造成費の算定に当たっては、材料費、労務費及び直接経費から構成される直接工事費に、共通仮設費及び現場管理費から構成される間接工事費と一般管理費等を加えて算定することとされている。このうち、現場管理費は、工場において生産されるポンプ等の調達額(以下「特殊製品費」という。)が直接工事費に含まれている場合には、当該特殊製品費の2分の1に相当する額を直接工事費及び共通仮設費の合計額である純工事費から減額した上で、取扱要領に定められた所定の率をこれに乗じて得た額の範囲内とされており、一般管理費は、直接工事費と間接工事費の合計額である工事原価に取扱要領に定められた所定の率を乗じて得た額の範囲内とされている。また、交付の対象となる土地造成費は、廃棄物処理施設の設置に必要な最小限度の工事費とされており、調整池の整備に要する費用は交付の対象となっていない。

しかし、同組合は、交付対象事業費の算定に当たり、現場管理費について、14工事において取扱要領に定められた所定の率と異なる高い率を用いて算出していたり、用地造成工事、道路舗装工事及びポンプ場建設工事等2工事において純工事費から特殊製品費の2分の1に相当する額を適切に減額していなかったりしていた。また、一般管理費について、給水管布設工事9工事及び道路舗装工事において取扱要領に定められた所定の率と異なる高い率を用いて算出していた。さらに、用地造成工事において、交付の対象とならない調整池の整備に要する費用を土地造成費に含めるなどしていた。

したがって、取扱要領に基づいて現場管理費及び一般管理費を算出するとともに、上記調整池の整備に要した費用を交付対象事業費から除くなどして14工事に係る適正な交付対象事業費を算定すると計388,867,418円となることから、本件交付対象事業費455,692,395円は、これに比べて66,824,977円過大となっており、これに係る交付金相当額22,274,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同組合において交付対象事業費のうち本工事費及び土地造成費の算定についての理解が十分でなかったこと、北海道において本件交付金事業の実績報告書の審査及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。