9府省庁等、都道府県及び市町村における中心市街地の活性化に関する施策の実施体制及び実施状況、施策の有効性等について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、中心市街地の活性化に関する施策を確実に実施するための事業推進体制の整備や充実が図られ、国、都道府県、市町村、協議会等の連携や調整は適切に行われているか、認定事業は認定基本計画期間中に円滑に実施されているか、認定基本計画の評価の結果は、中心市街地の活性化の状況を適切に反映した有効なものとなっているかなどに着眼して検査を実施した。
検査結果の概要は、次のとおりである。
a 中心市街地活性化本部の会議の開催状況等
中心市街地活性化本部の会議及び地域活性化統合本部会合の28年度末までの開催状況は、計11回となっている(1021_2_1_1_1_1リンク参照)。
b 内閣府地方創生推進事務局
28年度においては、内閣府地方創生推進事務局の職員のうち、10人が中心市街地の活性化に係る業務を行っている(1021_2_1_1_1_2リンク参照)。
c 国の支援措置
市町村が計画的かつ効果的に支援措置を活用しやすいように、各府省庁の支援措置が継続して基本方針等に設定されているかみたところ、所管府省の事業の見直しや予算上の制約等により、単年度のみの実施となり継続して設定されていない支援措置が4府省で10措置見受けられた(1021_2_1_1_1_3リンク参照)。
会計実地検査を行った24道県の市町村に対する助言の実施状況をみたところ、8道県においては、協議会の協議の場とは別に、基本計画に関する市からの相談に対応したり、道県の要望等について意見を述べたりなどして、市が基本計画の認定を申請する前に助言を行っていた。一方、中心市街地活性化法に基づいて認定基本計画の送付を市から受けた後に認定基本計画の円滑かつ確実な実施に関して助言を行っていた道県は見受けられなかった(1021_2_1_1_2リンク参照)。
a 市町村の推進体制の整備
(a) 中活課室の設置状況等
90市の134計画に係る中活課室の設置状況をみたところ、認定時点で専担課室を設置していたのは、44市の61計画となっており、54市の73計画では人的体制を整えることなどが困難であるなどとして設置されていなかった。
基本計画の認定時点で専担課室を設置していた44市の61計画について、28年度末における専担課室の存続状況をみたところ、11市の11計画では認定基本計画期間中に廃止していた(1021_2_1_1_3_1_1リンク参照)。
(b) 中活課室の職員数
中活課室には、専担課室と兼務課室があることから、90市の134計画について認定時点の1計画当たりの専担課室と兼務課室のそれぞれの職員数をみたところ、44市の61計画に係る専担課室では、平均すると1計画当たり6.0人となっていたのに対して、54市の73計画に係る兼務課室では、平均すると1計画当たり3.9人となっていた(1021_2_1_1_3_1_2リンク参照)。
(c) 事業実施課室の課室数及び職員数
90市の134計画の認定時点の1計画当たりの事業実施課室数や職員数をみたところ、認定事業に関わった課室数は、平均すると1計画当たり13.1課室となっていた。認定事業に携わった職員数は、平均すると1計画当たり41.0人となっていた(1021_2_1_1_3_1_3リンク参照)。
b 協議会の人的体制等
協議会は、市町村が作成しようとする基本計画や認定基本計画に基づく事業の実施に関して必要な事項その他中心市街地の活性化の総合的かつ一体的な推進に関して必要な事項を協議する重要な場であることから、都市機能の増進を総合的に推進するための調整を図るまちづくり会社等、経済活力の向上を総合的に推進するための調整を図る商工会議所等、認定事業を実施する事業者等、認定基本計画に基づく事業の実施に関して密接な関係を有する者、当該中心市街地をその区域に含む市町村等の多様な主体が構成員として参加している(1021_2_1_1_3_2リンク参照)。
(a) 人的体制
90市の134計画に係る協議会の構成員数をみたところ、最多51者、最少10者、平均すると25.4者となっており、構成員の種類ごとの参加状況は、まちづくり会社や商工会又は商工会議所以外に、市もほとんどが協議会に参加していて、最も多い商工会又は商工会議所は90市の134計画、市は89市の133計画に係る協議会に参加していた。
タウンマネージャーを配置している39市の51計画に係る協議会の中には、認定基本計画期間中に、タウンマネージャーの配置を取りやめていて、タウンマネージャーの配置による組織の強化が十分図られていない状況が見受けられた。
また、18年度から28年度末までの間に破綻したまちづくり会社が3社あり、このうち2まちづくり会社は認定基本計画期間中に破綻していた(1021_2_1_1_3_2_1リンク参照)。
(b) 協議会の開催状況
90市の134計画に係る協議会の1計画ごとの期間別平均開催回数をみたところ、基本計画の作成期間中は4.4回、認定基本計画期間中は8.2回であるのに対して、認定基本計画期間終了後は2.9回と活動実績に減少傾向が見受けられた(1021_2_1_1_3_2_2リンク参照)。
c 市連絡調整会議の設置及び開催状況
90市の134計画に係る市連絡調整会議の設置状況をみたところ、67市の99計画(134計画に占める割合73.8%)において基本計画認定時点で設置していたが、24市の35計画(同26.1%)においては設置されていなかった。
基本計画認定時点で市連絡調整会議を設置していた67市の99計画について、1計画当たりの期間別の平均開催回数をみたところ、基本計画の作成期間中は平均6.6回、認定基本計画期間中は平均5.1回、認定基本計画期間終了後は平均0.7回と減少傾向が見受けられた(1021_2_1_1_3_3リンク参照)。
バリアフリー基本構想に関して、また、支援措置のうち、①大店立地法の特例措置及び②中活ソフト特別交付税に関して、関係部局間における連携状況をみたところ、次のとおりとなっていた(1021_2_1_1_4リンク参照)。
a バリアフリー化に係る連携状況
バリアフリー基本構想が作成されている41市の62計画におけるバリアフリー事業の実施状況をみたところ、38市の59計画に係る中心市街地区域内における生活関連道路等716か所のうち、28年度末までに25市の39計画における354か所ではバリアフリー事業が完了していなかった。28年度末時点においても事業実施の予定が具体化していないものが354か所のうち150か所となっていた。そして、認定基本計画に記載されている331か所についても184か所が未完了となっていた。バリアフリー事業を基本計画に位置付けるに当たっては、バリアフリー事業の担当課室と十分連携して、事業の具体的な実施時期等について検討した上で取り組む必要があると認められた(1021_2_1_1_4_1リンク参照)。
b 大店立地法の特例措置に係る連携状況
90市の134計画について、大店立地法の特例措置の活用状況をみたところ、25市では活用していたものの、65市では活用していなかった。
大店立地法の特例措置を活用していなかった65市が所在する21道県において、基本計画の作成時に道県が市町村に対して、情報提供を行うなどしているかをみたところ、情報提供等を実施していたのは21道県中6県となっており、15道県においては情報提供等を実施していなかった(1021_2_1_1_4_2リンク参照)。
c 中活ソフト特別交付税の交付に係る連携状況等
(a) 中活ソフト特別交付税の概要
都道府県の交付税担当課は、市町村の財政担当課に算定対象となるソフト事業の有無を照会し、市町村の財政担当課は、中活課室、事業実施課室に中活ソフト特別交付税の算定対象となるソフト事業の有無、ソフト事業の財源内訳及び認定基本計画における位置付けを確認して、算定資料等を都道府県に提出している。そして、都道府県は、市町村から提出された算定資料等に基づいて中活ソフト特別交付税の額を算定している(1021_2_1_1_4_3_1リンク参照)。
(b) 中活ソフト特別交付税の交付に係る連携状況
90市の134計画において中活ソフト特別交付税が交付されているソフト事業について認定基本計画における位置付けをみたところ、43市の53計画における432事業については、認定基本計画において拡大支援措置である中活ソフト特別交付税の算定対象となるソフト事業に位置付けられていなかった。
これは、上記の43市において、中活ソフト特別交付税の算定対象となるソフト事業について財政担当課の理解が十分でなく、また、中活ソフト特別交付税について中活課室等の理解が十分でないまま、財政担当課と中活課室等との連携が十分図られていないことによるものと思料された。このため、43市は、上記ソフト事業の認定基本計画における位置付けの確認等をしないまま21道県に対して中活ソフト特別交付税の算定対象となるソフト事業として回答し、その回答に基づき算定された中活ソフト特別交付税の交付を国から受けていた(1021_2_1_1_4_3_2リンク参照)。
a 18年度以降の認定基本計画の事業費執行額
(a) 事業主体別事業費、府省庁別事業費及び国庫負担額
18年8月の中心市街地活性化法の施行後、28年度末までに認定を受けた141市の211計画に係る18年度から28年度末までの間の総事業費は、3兆0847億余円(国庫負担額8700億余円)となっていた。
府省庁別に事業費及び国庫負担額をみると、事業費は計2兆6364億余円(国庫負担額8700億余円)となっており、国土交通省に係る事業費2兆2874億余円(国庫負担額7965億余円)が最も多く、次いで総務省に係る事業費1049億余円(国庫負担額46億余円)、経済産業省に係る事業費970億余円(国庫負担額335億余円)の順となっていた(1021_2_1_2_1_1_1リンク参照)。
(b) 事業数並びに事業種別の事業費及び国庫負担額
141市の211計画に係る総事業費3兆0847億余円(総事業数12,703事業、国庫負担額8700億余円)の執行状況を事業種別ごとにみたところ、ハード事業は4,638事業、事業費2兆7142億余円(国庫負担額8445億余円)、ソフト事業は8,364事業、事業費3705億余円(国庫負担額254億余円)となっていた(1021_2_1_2_1_1_2リンク参照)。
b 18年度以降の基本計画の認定状況等
(a) 基本計画の認定状況
141市の211計画に係る認定状況をみたところ、78市の79計画がI期計画のみの認定を受けており、I期計画の実施に伴い浮き彫りとなった新たな課題の解消が必要であるなどとして59市の119計画がII期計画まで、4市の13計画がIII期計画までそれぞれ認定を受けていた(1021_2_1_2_1_2_1リンク参照)。
(b) 基本計画の認定を受けた市町村の人口規模
141市を都市規模別に分類すると、政令指定都市は9市、中核市は44市、その他の市は88市となっており(これらの141市には3大都市圏の19市が含まれている。)、141市の基本計画認定時点の市域全体人口の規模をみると、最大が223.6万人、最小が1.9万人となっていて、10万人以上20万人未満が42市の64計画と最も多く、全体の29.7%となっていた(1021_2_1_2_1_2_2リンク参照)。
(c) 基本計画の認定を受けた市町村の面積規模
141市の基本計画認定時点の市域全体面積の規模をみたところ、最大が21.7万ha、最小が511haとなっていて、1万ha以上5万ha未満が69市の103計画と最も多く、全体の48.9%となっていた(1021_2_1_2_1_2_3リンク参照)。
(d) 認定基本計画における事業数及び事業費
211計画について、認定事業の事業数をみたところ、総事業数は12,703事業、1計画当たりの平均事業数は60.2事業(1計画当たりの最大事業数:171事業、同最小事業数:16事業)となっていた。
141市の211計画のうち、28年度末までに認定基本計画期間が終了した109市の118計画(事業費2兆2965億余円(国庫負担額6427億余円))について、1計画当たりの事業費をみたところ、10億円未満が1計画、10億円以上50億円未満が18計画、50億円以上100億円未満が27計画、100億円以上500億円未満が66計画、500億円以上が6計画となっていて、100億円以上500億円未満の計画が最も多くなっていた(1021_2_1_2_1_2_4リンク参照)。
(e) 人口1人当たりの事業費及び国庫負担額
118計画について、人口1人当たりの事業費を市域全体人口と中心市街地区域内人口でみたところ、市域全体人口1人当たりの事業費は最大807,332円、最小4,931円で、中心市街地区域内人口1人当たりの事業費は最大1255万余円、最小23万余円となっていた。また、118計画について、人口1人当たりの国庫負担額を市域全体人口と中心市街地区域内人口でみたところ、市域全体人口1人当たりの国庫負担額は最大122,892円、最小1,104円で、中心市街地区域内人口1人当たりの国庫負担額は最大435万余円、最小2万余円となっていた(1021_2_1_2_1_2_5リンク参照)。
基本方針等によれば、中心市街地の活性化は、地域の創意工夫をいかしながら、地域が必要とする事業等を、総合的かつ一体的に推進することにより、地域が主体となって行われるべきものであるとされている。このような中で、各市は、認定基本計画において、様々な認定事業を実施することを計画している(1021_2_1_2_2リンク参照)。
a 認定事業の分類等
会計実地検査を行った90市の134計画における認定事業の事業費をみると、市街地整備改善事業に係る事業費1兆1320億余円(国庫負担額3830億余円)、都市福利施設整備事業に係る事業費6394億余円(国庫負担額1184億余円)、居住環境向上事業に係る事業費3922億余円(国庫負担額819億余円)、経済活力向上事業に係る事業費3886億余円(国庫負担額675億余円)、公共交通利便増進等事業に係る事業費2033億余円(国庫負担額621億余円)となっていた(1021_2_1_2_2_1リンク参照)。
b 認定事業の完了又は継続の状況
会計実地検査を行った90市の134計画のうち28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画における4,901事業(ハード事業1,874事業、ソフト事業3,027事業)の認定基本計画期間終了時点の実施状況についてみたところ、実施済(継続して実施するイベント等の事業を含む。)の認定事業が4,270事業、実施中の認定事業が331事業等となっていた(1021_2_1_2_2_2リンク参照)。
(a) ハード事業の完了状況
80計画のうち76計画では一部のハード事業が完了していなかった。そして、完了していないハード事業がある76計画をみたところ、60計画において関係者の合意形成が図られていなかったことなどにより主要事業とされているハード事業の全部又は一部が認定基本計画期間終了時点で完了していなかった(1021_2_1_2_2_2_1リンク参照)。
(b) ソフト事業の継続状況
74市の80計画について、主要事業となっている認定基本計画期間終了後のソフト事業の継続状況をみたところ、53計画においては、市の補助事業等による財政的な支援等の体制が整わないことなどにより主要事業とされたソフト事業の一部が継続されていなかった(1021_2_1_2_2_2_2リンク参照)。
c 都市計画手法の活用及び経済活力向上事業の実施状況
市町村は、中心市街地の商業地域が顧客、住民のニーズに十分対応できていないことが中心市街地の衰退の原因の一つであるとして、中心市街地の商業地域の活性化に取り組んでいる(1021_2_1_2_2_3リンク参照)。
(a) 都市計画手法の活用による商業地域の活性化
多重制限市12市と多重制限未実施市78市について、18年度から28年度までの間に中心市街地区域外に立地した大型店の店舗面積の変化を比較したところ、1,000m2を超える大型店の店舗面積が増加していたのは、多重制限未実施市では74市(78市に占める割合94.8%)、多重制限市では10市(12市に占める割合83.3%)となっていた。また、中心市街地への影響が大きいとされる店舗面積が10,000m2以上の大型店の店舗面積が増加していたのは、多重制限未実施市では24市(78市に占める割合30.7%)、多重制限市では2市(12市に占める割合16.6%)となっていた。
会計実地検査を行った24道県について、基本方針等を踏まえて、大型店の立地に関して広域的な調整を図るための条例等を定めているかをみたところ、広域的な土地利用や地域における商業機能の維持等の見地から、条例等において、大型店を立地できる市町村の地域や店舗面積を定めたり、大型店の立地予定の市町村及び隣接する市町村に店舗面積等を通知して中心市街地の活性化の見地から意見等を聴取したりなどしていたのは、9道県にとどまっていた(1021_2_1_2_2_3_1リンク参照)。
(b) 経済活力向上事業の実施による商業地域の活性化
90市について、認定基本計画における大店立地法の特例措置の活用状況をみたところ、25市は大店立地法の特例措置を活用していたが、65市は活用していなかった。大店立地法の特例措置を活用していた25市と活用していなかった65市について、18年度から28年度までの間に中心市街地区域内に立地した大型店の店舗面積の変化を比較したところ、1,000m2を超える大型店の店舗面積が増加していたのは、大店立地法の特例措置を活用していた市では14市(25市に占める割合56.0%)となっていたのに対して、大店立地法の特例措置を活用していなかった市では22市(65市に占める割合33.8%)にとどまっていた。また、中心市街地への集客効果が大きいと考えられる店舗面積5,000m2以上の大型店の店舗面積は、大店立地法の特例措置を活用していた市では8市(25市に占める割合32.0%)において増加していた一方、大店立地法の特例措置を活用していなかった市で増加していたのは11市(65市に占める割合16.9%)にとどまっていた。
また、90市の134計画について空き店舗対策のための事業の有無をみたところ、84市の126計画において、1計画当たり1事業から16事業、計509事業の空き店舗対策のための事業が位置付けられていた。
84市の126計画について、認定基本計画の開始年度から28年度までの空き店舗数の把握状況をみたところ、空き店舗数を毎年度把握していたのは、61市の79計画となっていて、29市の42計画は、毎年度は把握しておらず、このうち9市の14計画は、空き店舗数について一度も把握していなかった。
中心市街地の空き店舗数を18年度から28年度までの間に複数年で把握していた73市について、空き店舗数の増減の状況をみたところ、多重制限等又は大店立地法の特例措置のいずれかを活用していた27市では半数以上の16市において空き店舗数が減少していたのに対して、どちらも活用していなかった46市において減少していたのは13市となっていて、多重制限等又は大店立地法の特例措置の活用が、中心市街地区域内の空き店舗数の減少に寄与している状況が見受けられた(1021_2_1_2_2_3_2リンク参照)。
基本方針等によれば、市町村は、フォローアップの実施に当たっては、認定基本計画の目標の達成状況について、定量的に評価することが望ましいとされ、最終フォローアップにおいては、認定事業が予定どおり進捗して完了したか評価を行い、中心市街地の活性化が図られたかについても評価を行うこととなっている。そして、最終フォローアップに係る報告書には、市町村による評価に加え、協議会の意見や市民意識の変化を記載することとなっている(1021_2_1_2_3リンク参照)。
a 認定基本計画における指標の設定状況
会計実地検査を行った90市の134計画のうち、1回以上フォローアップが実施された88市の129計画について目標及び指標の設定状況をみたところ、「にぎわいの創出」等4種類の目標分類で計354目標が設定されており、これらの目標の達成状況を把握するために「通行量」等7種類の指標分類で計404指標が設定されていた。
88市の129計画に係る404指標のうち、28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画に係る239指標について、目標値の達成状況をみたところ、168指標(239指標に占める割合70.2%)が目標値を達成しておらず、このうち114指標(168指標に占める割合67.8%)については、基準値に達していない状況となっていた(1021_2_1_2_3_1リンク参照)。
b フォローアップにおける実績の評価状況
フォローアップの実施に関して、市町村は、実績値を測定して当該実績値を評価することとなっている。そして、市町村は、フォローアップにおいて、主要事業の効果を事業単位で評価して、認定基本計画期間中又は認定基本計画期間終了後に、当該事業の実施方法を変更したり、必要に応じて新規事業を追加したりすることで、評価の結果を中心市街地の活性化に係る取組に反映することとしている(1021_2_1_2_3_2リンク参照)。
(a) 実績値の評価
28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画に係る239指標について、最終フォローアップの直前の定期フォローアップにおける認定基本計画期間終了時点での目標達成の見通しの選択状況と目標値の達成状況をみたところ、認定基本計画期間終了時点での目標達成が可能であるとされていた152指標のうち、81指標(152指標に占める割合53.2%)は、最終フォローアップにおいて目標値が達成されていなかった(1021_2_1_2_3_2_1リンク参照)。
(b) 主要事業の評価
見込み改善量が1事業単位で算定されている主要事業のうち、定期フォローアップの実施時点で完了していた1,135事業及び最終フォローアップの実施時点で完了していた494事業について、実績改善量と見込み改善量の比較が基本方針等に基づいて実施されているかをみたところ、定期フォローアップにおいては814事業(1,135事業に占める割合71.7%)で、最終フォローアップにおいては161事業(494事業に占める割合32.5%)で比較が実施されておらず、これらの主要事業は、その効果が事業単位で十分に評価されていない状況となっていた。
また、見込み改善量が複数事業を総合して算定されている主要事業について、市による直接的事業実績の把握状況をみたところ、市が直接的事業実績を把握していなかった主要事業が全体に占める割合は、定期フォローアップで79.3%(1,217事業)、最終フォローアップで72.5%(570事業)となっており、これらの主要事業については、直接的事業実績が把握されておらず、その効果が事業単位で十分に評価されていない状況となっていた(1021_2_1_2_3_2_2リンク参照)。
c 中心市街地の活性化に係る取組における評価結果の反映状況
28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画に係る239指標のうち、全ての定期フォローアップにおいて認定基本計画期間終了時点での目標達成が困難であるとされていた50指標について、定期フォローアップの評価結果の反映状況をみたところ、50指標のうち26指標については、市が認定基本計画の変更に相当程度の時間を要すると判断したり、適当な改善策がないと判断したりするなどしていて、認定基本計画の見直しが実施されていなかった。
また、28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画に係る239指標のうち、II期の認定基本計画で継続して測定することとしているなどの指標116指標を除いた123指標について、市による最終フォローアップ後の実績値の測定状況及び測定されている場合の実績値の状況をみたところ、43指標については、最終フォローアップ後に実績値の測定が実施されておらず、実績値の評価に基づく主要事業の評価や、評価結果を中心市街地の活性化に係る取組に反映することができなくなっていた(1021_2_1_2_3_3リンク参照)。
d 内閣府における中心市街地活性化施策に対する評価の実施状況
政策評価の測定指標は、実績値が基準値よりも改善された認定基本計画の指標の割合となっている。このため、市町村が実施した認定基本計画で設定されている目標値が達成されていない指標が多数あった場合でも、実績値が基準値よりも改善された指標が60%を超えた場合には国として目標達成という評価結果になる。そして、内閣府の28年度の実施施策に係る政策評価では、測定指標に基づく目標達成度合の測定結果は70%となっていて目標を達成したと評価されていた。一方、市町村が行う認定基本計画の最終フォローアップでは、実績値が目標値を超えた場合に目標を達成したと評価することとなっている。また、認定基本計画に位置付けられた取組の実績額については公表されていなかった(1021_2_1_2_3_4リンク参照)。
国は、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するために、認定基本計画に基づく取組に対する支援として認定と連携した支援措置の創設に努め、市町村は、効果的に都市機能の増進及び経済活力の向上を推進するよう所要の施策を策定したり、実施したりする責務を有するとされている。
そこで、90市の認定基本計画における活用実績により国の支援措置の活用状況を分析した。そして、中心市街地の活性化の状況について、市の取組により都市機能の増進及び経済活力の向上が図られているか、活性化関連一般指標及び活性化関連独自指標の推移を分析するとともに、都市機能の増進及び経済活力の向上の状況について、会計検査院は、17、27両年度の国勢調査及び18、28両年度に総務省が公表している市町村別決算状況に基づき分析した(1021_2_2リンク参照)。
18年度から28年度までの間の各年度に、国が基本方針等で示している支援措置の数は、法定措置225措置、拡大支援措置193措置、通常支援措置265措置、その他の措置380措置、計1,063措置となっていた。
90市の134計画で、18年度から28年度までの間の各年度に上記の1,063措置がどの程度活用されているかをみたところ、活用されていたのは法定措置26措置(支援措置として活用されていた割合11.5%)、拡大支援措置136措置(同70.4%)、通常支援措置180措置(同67.9%)、その他の措置102措置(同26.8%)となっていた。
一方、活用されていなかった支援措置は1,063措置のうち619措置となっていて、このうち法定措置は199措置(活用されていなかった支援措置に占める割合32.1%)に上っていた。そして、各支援措置のうち、法定措置については、大店立地法の特例措置の活用のための情報提供が15道県において十分でなかったことなどから、65市において大店立地法の特例措置が活用されていなかった。また、拡大支援措置については、中活ソフト特別交付税の算定対象となるソフト事業について、留意事項の周知が十分でなく、中活課室等の理解も十分でなかったことなどから、43市において認定基本計画に適切に位置付けられていない状況となっていた(1021_2_2_1リンク参照)。
市町村は、都市計画法に基づき、市町村の都市計画に関する基本的な方針を作成していて、立地適正化計画、都市再生整備計画、地域公共交通網形成計画、公共施設等総合管理計画等の各種計画は、都市計画に関する基本的な方針と調和を図るよう作成することとされており、さらに、基本方針等によれば、認定基本計画は、上記の各種計画と適合又は調和を図ることとされている(1021_2_2_2_1リンク参照)。
a 立地適正化計画
会計実地検査を行った90市のうち、立地適正化計画を作成していたのは34市となっており、34市の立地適正化計画における中心拠点区域と中心市街地区域の両区域の設定状況をみたところ、全て同一区域で設定していたのは4市、中心市街地区域が中心拠点区域を全て含む設定をしていたのは1市、中心市街地区域の一部又は全部が中心拠点区域に含まれる設定をしていたのは29市と、区域設定が区々となっていた(1021_2_2_2_1_1リンク参照)。
b 公共施設の増減状況等
90市における公共施設の数は、認定基本計画実施前は市域全体で32,859施設、中心市街地区域内で1,869施設(全体の5.6%)であったものが、28年度末では市域全体で37,393施設、中心市街地区域内で2,188施設(同5.8%)となっていた。市域全体では32,859施設から37,393施設へと13.7%増加しているのに対して、中心市街地区域内では1,869施設から2,188施設へと17.0%の増加となっていて、公共施設数の増加率は、中心市街地区域内の方が市域全体よりも大きくなっていた(1021_2_2_2_1_2リンク参照)。
28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画について、活性化関連一般指標である中心市街地区域内人口、都道府県地価調査価格、固定資産税収入額等の指標の推移等をみたところ、次のような状況となっていた(1021_2_2_2_2リンク参照)。
a 人口の推移
74市の市域全体人口は、18年度2026万人、28年度2014万人と18年度から28年度までの間の推移は微減となっていた。一方、74市の中心市街地区域内人口の合計は、18年度75万人、28年度77万人と微増となっていた。
74市それぞれの中心市街地区域内人口について、18年度と比較して28年度に中心市街地区域内人口が増加しているのは29市(74市に占める割合39.1%)、減少しているのは45市(同60.8%)となっており、29市においては、認定基本計画の実施の効果が一定程度発現していることが認められる状況となっていた(1021_2_2_2_2_1リンク参照)。
b 都道府県地価調査価格の推移
74市内の217地点の都道府県地価調査価格の平均価格の推移は、18年度205,129円/m2、28年度182,433円/m2となっており、18年度から28年度までの推移は増減を繰り返しつつ、18年度と比較して28年度は下落している。
18年度と比較して28年度に中心市街地区域内の都道府県地価調査価格が上昇しているのは10市(74市に占める割合13.5%)、下落しているのは64市(同86.4%)であり、認定基本計画の実施の効果が一定程度発現していることが認められるのは10市にとどまっていた(1021_2_2_2_2_2リンク参照)。
c 固定資産税収入額の推移
74市の固定資産税収入額の合計額の推移は、18年度の1兆3326億円から23年度の1兆3934億円まで増加した後、24年度に1兆3278億円に減少し、28年度に1兆3628億円となっており、回復基調となっている。
74市それぞれの住民1人当たりの固定資産税収入額について、18年度と比較して28年度に住民1人当たり固定資産税収入額が増加しているのは39市(74市に占める割合52.7%)、減少しているのは35市(同47.2%)であり、39市においては、認定基本計画の実施の効果が一定程度発現していることが認められる状況となっていた(1021_2_2_2_2_3リンク参照)。
上記のとおり、活性化関連一般指標の数値が増加し、又は上昇している市においては、認定基本計画の実施が中心市街地の活性化に一定程度寄与していると思料される状況が見受けられる。一方、指標ごとに数値が増加し、又は上昇している市は区々となっていて、特定の指標だけで中心市街地の活性化の状況を評価することは困難であり、多様な指標による評価を検討することが必要であると思料された(ZUHYO2-2-10リンク参照)。
会計検査院は、28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画における都市機能の増進及び経済活力の向上の状況について、都市コンパクト化指標及び経済活力向上指標により分析した(1021_2_2_2_3リンク参照)。
a 都市コンパクト化指標の区分
国勢調査が実施された17年度と27年度との間の74市の人口集中地区の人口密度の増減率は、上位群、中位群及び下位群の別にみると、上位群の平均は8.2%、最大は31.0%、最小は3.5%となっており、増加しているのは13市となっていた。また、中位群の平均は0.0%、最大は4.1%、最小は△6.1%となっており、増加しているのは12市、減少しているのは8市となっていた。これに対して、下位群の平均は△4.5%、最大は2.6%、最小は△17.4%となっており、増加しているのは7市にとどまっている一方、減少しているのは33市となっていた(1021_2_2_2_3_1リンク参照)。
b 経済活力向上指標の区分
18年度と28年度との間の74市の主要地方税の増減率は、上位群、中位群及び下位群の別にみると、上位群の平均は16.3%、最大は56.1%、最小は6.1%となっており、増加しているのは15市となっていた。また、中位群の平均は5.2%、最大は12.8%、最小は2.4%となっており、増加しているのは18市となっていた。これに対して、下位群の平均は△0.6%、最大は5.8%、最小は△8.2%となっており、増加しているのは19市にとどまり、減少しているのは22市となっていた(1021_2_2_2_3_2リンク参照)。
c 都市コンパクト化指標と経済活力向上指標の比較
都市コンパクト化指標の区分で上位群となっていた13市のうち、6市は経済活力向上指標の区分が上位群、3市は中位群となっていた一方、4市は下位群となっていた。また、経済活力向上指標の区分で上位群となっていた15市のうち、6市は都市コンパクト化指標の区分が上位群、4市は中位群となっていた一方、5市は下位群となっていた。
都市コンパクト化指標及び経済活力向上指標がいずれも上位群となっている6市については、都市機能の増進と経済活力の向上がバランスよく推進されており、認定基本計画の実施の効果が一定程度発現していることが認められると思料された。また、都市コンパクト化指標又は経済活力向上指標の上位群のうち、いずれか一方が中位群となっていた7市(都市コンパクト化指標が上位群の3市、経済活力向上指標が上位群の4市)についても、都市機能の増進と経済活力の向上が一定程度推進されており、今後、中心市街地の活性化に向けた取組を継続的に行うことが重要であると思料された。一方、都市コンパクト化指標及び経済活力向上指標がいずれも下位群となっている24市については、認定基本計画の実施の効果は限定的と考えられ、今後、中心市街地の活性化に向けた取組の新たな展開が必要となっていると思料された。
74市が設定した指標の評価と都市コンパクト化指標及び経済活力向上指標の区分についてみたところ、74市が設定した指標の評価については、最終評価が「①かなり活性化が図られた」又は「②若干の活性化が図られた」となっている64市のうち、最終フォローアップにおける評価が基準値以上となっているのは9市、基準値未満となっているのは9市となっていた。そして、基準値以上となっている9市のうち、都市コンパクト化指標の上位群となっているのは4市、このうち3市については経済活力向上指標も上位群となっていた。また、基準値未満となっている9市のうち、都市コンパクト化指標の上位群となっている市は該当がなく、下位群となっているのは8市、経済活力向上指標の上位群となっているのは2市、下位群となっているのは4市となっていた。
都市コンパクト化指標については、下位群12市のうち、4市では、指標の評価において基準値以上となっていて認定基本計画の実施の効果が一定程度発現しているものの、8市においては、指標の評価において基準値未満となっており、今後、中心市街地の活性化に向けた取組の新たな展開が必要となっていると思料された。
経済活力向上指標については、下位群9市のうち、5市では、指標の評価において基準値以上となっていて認定基本計画の実施の効果が一定程度発現しているものの、4市においては、指標の評価において基準値未満となっており、今後、中心市街地の活性化に向けた取組の新たな展開が必要となっていると思料された(1021_2_2_2_3_3リンク参照)。
28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画における評価結果と74市の活性化関連一般指標及び74市が把握している活性化関連独自指標である中心市街地区域内の公共施設利用者数、鉄道駅乗降客数及び空き店舗数との関係について、分析した(1021_2_2_3リンク参照)。
28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市の80計画に係る239指標について、目標値の達成状況をみたところ、168指標(239指標に占める割合70.2%)が目標値を達成しておらず、114指標(168指標に占める割合67.8%)については、基準値に達していなかった。
74市が設定した指標の評価については、最終フォローアップ時点で、全ての指標が目標値を達成しているのは6市、全ての指標が基準値未満となっているのは13市となっていた。また、基準値以上となっている指標が過半数となっているのは33市となっていた。そして、活性化関連一般指標の4指標の数値についてみたところ、活性化関連一般指標ごとに10市から39市がそれぞれ増加し、又は上昇しているが、28年度末時点で3指標又は4指標が向上しているのは8市となっており、指標の数値が増加し、又は上昇している市は指標ごとに区々となっていた。
また、活性化関連独自指標である中心市街地区域内の公共施設利用者数、鉄道駅乗降客数及び空き店舗の増減数についてみると、次のような状況となっていた。
① 74市のうち、認定基本計画実施前と28年度の中心市街地区域内の公共施設利用者数を把握していた43市の中心市街地区域内の公共施設利用者数について、認定基本計画実施前より28年度の方が中心市街地区域内の公共施設利用者数が増加しているのは19市(43市に占める割合44.1%)、減少しているのは24市(同55.8%)となっていた。
② 74市のうち、認定基本計画実施前と28年度の中心市街地区域内の鉄道駅乗降客数を把握していた52市の中心市街地区域内の鉄道駅乗降客数について、認定基本計画実施前より28年度の方が中心市街地区域内の鉄道駅乗降客数が増加しているのは27市(52市に占める割合51.9%)、減少しているのは25市(同48.0%)となっていた。
③ 74市のうち、18年度と28年度の空き店舗数を把握していた43市の空き店舗数について、18年度より28年度の方が空き店舗数が減少しているのは22市(43市に占める割合51.1%)、増加しているのは20市(同46.5%)となっていた(1021_2_2_3_1リンク参照)。
28年度末までに認定基本計画期間が終了した74市のうち、25年3月の評価の方法の改正以降に最終フォローアップを行った69市(改正前のため選択肢による選択を行っていない5市を除いた市)の最終評価をみたところ、市による最終評価では64市(69市に占める割合92.7%)が、協議会による最終評価では65市(同94.2%)が、「活性化が図られた」としていた。一方、市民による最終評価では、57市(同82.6%)が「活性化が図られた」としていた。
最終フォローアップにおける市の最終評価と指標の達成状況をみたところ、64市が「①かなり活性化が図られた」又は「②若干の活性化が図られた」を選択して「活性化が図られた」としているが、指標の達成状況をみると、このうち24市は、目標値を達成しているA評価を含んでおらず、B評価又はC評価のみとなっていた。そして、これら24市のうち9市は指標の達成状況が目標値及び基準値に達していないC評価のみとなっているなど、最終評価と指標の達成状況にかい離が生じている状況となっていた。
一方、「活性化に至らなかった」と評価している5市の中には、認定基本計画期間終了後の中心市街地の活性化への取組等により、複数の指標の数値が向上している市も見受けられた(1021_2_2_3_2リンク参照)。
我が国の社会経済情勢は、人口減少、少子高齢化の進展、公共公益施設等の郊外立地の増加、IT技術を活用した電子商取引の普及拡大等、大きく変化している。
このような状況の下、国は、中心市街地の活性化は地方都市全体の活力の向上を図るための一環として捉えていくことが重要であり、地域全体の居住環境の向上、医療及び福祉機能の確保といった都市構造の再構築の取組、地域公共交通の充実、地域活性化の取組等と一体となって、各施策と密接に連携して、地域活性化全体の観点から取り組むことが必要であるとしており、各府省庁における地方創生等の取組と有機的に連携しながら、国を挙げて総合的な支援をすることとしている。
上記を踏まえ、国は、旧法を18年に改正するなどして、中心市街地の活性化に取り組んでいる。
中心市街地の活性化に関する施策の実施体制及び実施状況について、国は、中心市街地活性化本部を設置し、支援措置の整備を行い、市では、中活課室等を設置するなどして、実施体制の充実が図られてきているが、基本計画の作成や認定事業の実施に当たって、国、道県、市等における連携等が十分に図られていない状況となっていた。また、国は、28年度末までに141市の211計画を認定して、認定基本計画に基づく中心市街地の活性化の取組を支援(国庫負担額8700億余円)し、各市においては、新たな評価制度の下、定期フォローアップや最終フォローアップにより認定基本計画の評価を行ってきているが、認定基本計画期間終了時に認定事業が完了していなかったり、評価結果が中心市街地の活性化に係る取組に十分反映できていなかったりしている状況となっていた。
そして、中心市街地の活性化に関する施策の有効性について、認定基本計画に基づく中心市街地の活性化に取り組み、設定した目標値を全て達成している市がある一方で、全て達成できていない市もあり、また、各種指標の数値においても増加したり、上昇したりしているものと減少したり、下落したりしているものが混在していて、一部の市では認定基本計画の実施の効果が推定できるものの、その効果が確認できない市も多数見受けられた。
このように、認定基本計画実施の効果の発現状況は区々となっていて、今後の中心市街地の活性化に関する施策の展開の課題となっている。
ついては、国として、社会経済情勢が大きく変化している中にあって、国民生活の向上と健全な発展に向けて、中心市街地の活性化を図るために、内閣府において、関係府省庁等、都道府県、市町村等と十分に連携して、今後、次の点に留意して、中心市街地の活性化に関する施策の実施に適切に取り組む必要がある。
会計検査院としては、中心市街地が地域の経済及び社会の発展に重要な役割を果たすものであり、その活性化が我が国における地域活性化の重要な施策の一つであることから、国、地方公共団体の中心市街地の活性化に関する施策の実施状況等について、今後も引き続き検査していくこととする。