(1件 不当と認める国庫補助金 4,560,000円)
部局等 |
補助事業者等 |
間接補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 |
事業費 |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(12) | 内閣府本府 |
沖縄県 |
国頭郡大宜味村 |
沖縄振興特別推進交付金 |
30 | 77,792 | 62,233 | 5,700 | 4,560 |
この交付金事業は、大宜味村が、大宜味村字喜如嘉(きじょか)地内において、地域活性化が図られる施策として、河川敷の空間の有効活用等を視野に、大川川(おおかわがわ)とその周辺の整備を目的として、大川川に架かる浴川橋(あみがわばし)の橋桁を架け替えるなどする橋りょう架替え工事及び大川川の左岸に大型ブロックを積むなどする護岸改修工事(以下、両工事を合わせて「橋りょう護岸工事」という。)を実施したものである。
そして、橋りょう架替え工事は、既存の橋桁を取り壊すなどした後、既存の橋台を活用して、橋軸方向の中心部を頂点とした縦断勾配(それぞれの端部に向かって3.7%及び3.8%)がある橋桁(桁長15.8m)を新たに架設等するものであり、橋桁は工場製作のプレストレストコンクリート桁(以下「PC桁」という。)8本(1本当たり延長15.8m)となっている。また、同村は、この橋りょう架替え工事において、車両等の転落防止のために、橋桁と同様にそれぞれの端部に向かって最大3%の勾配がある総延長29.4mの高欄(片側14.7m)を設置している。
同村は、橋りょう護岸工事に係る費用の積算を沖縄県制定の「土木工事標準積算基準書」等に基づき行っている。これらによれば、PC桁、高欄等の資材は、物価資料(刊行物である積算参考資料をいう。)等に材料単価が掲載されておらず、材料単価が10万円以上の場合等には、材料単価の適正な市場価格を把握するための特別調査により材料単価を決定することとされている。
このため、同村は、橋りょう護岸工事に係る費用の積算に当たり、PC桁及び高欄について、同県内の業者から徴した見積り(以下「業者見積り」という。)などにより、材料単価が10万円以上であることなどを確認して、物価調査機関に特別調査を委託し、当該機関から報告書の提出を受けていた。そして、同村は、PC桁の材料単価については、特別調査に基づく報告書に記載された材料単価(以下「特別調査の材料単価」という。)を適用する一方で、高欄の材料単価については、特別調査の材料単価は橋りょう護岸工事のように勾配がある高欄には適用できないとして、特別調査の材料単価を適用せずに業者見積りの材料単価を適用して、これらにより工事費の総額を78,418,800円と積算していた。
しかし、同村が適用したPC桁の特別調査の材料単価には、PC桁が製作された工場から施工現場までの運搬費が含まれていたのに、同村は、誤って、当該区間のPC桁の運搬費として1本当たり270,000円、計2,160,000円を別途工事費に計上していた。また、同村が適用しなかった高欄の特別調査の材料単価(1m当たり120,000円)は、勾配がある高欄に対応するための加工費を含むものであったのに、同村は、勾配がある高欄には適用できないと誤認して、業者見積りの材料単価(1m当たり169,659円)を適用していた。
したがって、別途計上していたPC桁の運搬費を控除したり、高欄の材料単価について、業者見積りの材料単価ではなく特別調査の材料単価を適用したりして修正計算すると、他の項目において積算過小となっていた費用等を考慮しても、工事費の総額は72,014,400円となることから、橋りょう護岸工事の工事費77,792,400円はこれに比べて約570万円割高となっていて、これに係る交付金相当額4,560,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同村において特別調査の材料単価に対する理解が十分でなかったこと、同県において同村に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。