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(4) 情報通信技術利活用事業費補助金(東日本大震災復興特別会計)により実施した事業において、事業が年度内に完了しておらず補助の対象とならないもの[総務本省](18)


1件 不当と認める国庫補助金 44,276,000円

情報通信技術利活用事業費補助金(東日本大震災復興特別会計)(以下「国庫補助金」という。)は、情報通信技術利活用事業費補助金(東日本大震災復興特別会計)交付要綱(平成23年総国政第95号。以下「交付要綱」という。)等に基づき、東日本大震災において被災した地方公共団体が抱える課題を情報通信技術の利活用を通じて効率的、効果的に解決し、もって被災地域の復興を促進することを目的とした事業を実施する事業主体に対して、補助対象経費の一部を国が補助するものである。

本院が、1県において会計実地検査を行ったところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者
間接補助事業者
(事業主体)
補助事業
年度
補助対象事業費 左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金相当額
摘要
            千円 千円 千円 千円  
(18) 総務本省
宮城県
一般社団法人みやぎ医療福
祉情報
ネット
ワーク協議会
東北地域医療情報連携基盤構築事業
26 1,887,545 629,181 132,829 44,276 補助の対象外

この補助事業は、宮城県から国庫補助金を原資とした補助金(以下「県補助金」という。)の交付を受けた一般社団法人みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会(以下「協議会」という。)が、平成26年度に、東北地域医療情報連携基盤構築事業として、医療情報の電子化・バックアップ体制の確立、医療・介護・福祉における連携の強化等の実現を図ることを目的とした地域医療情報連携基盤を整備する事業(以下「基盤整備事業」という。)を実施したものである。

交付要綱等によると、県補助金の交付の申請をしようとする者は、交付申請に当たり、事業の完了予定日を設定するなどすることとなっている。また、「情報通信技術利活用事業費補助金実施マニュアル」(平成24年4月総務省情報通信国際戦略局及び総合通信局作成)によると、補助事業は交付申請書に記載した完了予定日の属する事業年度内に終えることが必要であり、補助事業の完了日とは、補助事業者が事業主体に対して県補助金の支払を完了した日を指すことなどとなっている。

協議会は、基盤整備事業の実施に当たり、交付申請書において完了予定日を27年3月31日と設定し、協議会が保有する医療福祉情報ネットワークシステムに、病院、診療所等からアップロードされた診療情報等を格納して、これらの情報を多角的な視点で分析する機能等を備えたシステムを構築する業務(以下「システム構築業務」という。)を実施するために、請負契約を締結していた。そして、協議会は、完了予定日の属する事業年度である26年度内にシステム構築業務を終えたとして、上記の契約に要した費用132,829,200円を補助対象事業費に含めて宮城県に実績報告書等を提出し、額の確定を受けた上で県補助金1,887,545,000円(国庫補助金相当額629,181,000円)の交付を受けていた。

しかし、システム構築業務に係る請負契約について、契約上実施することとなっているシステム開発、試験等の業務が26年度内に完了しておらず、実際にこれらの業務が完了したのは27年8月であったにもかかわらず、協議会は、26年度内に基盤整備事業が完了したとして、虚偽の実績報告書等を提出していた。

したがって、システム構築業務に係る補助対象事業費132,829,200円は補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額44,276,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、協議会において補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、宮城県において本件補助事業に係る実績報告書等の審査及び協議会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。