ページトップ
  • 令和元年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (1) 補助の対象とならないもの

農業・食品産業強化対策整備交付金事業の交付対象事業費に、交付の対象とならない経費を含めていたもの[2農政局](125)(126)


(2件 不当と認める国庫補助金 12,755,721円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(125)
近畿農政局
大阪府
株式会社なにわ花いちば
(事業主体)
農業・食品産業強化対策整備交付金
28、29 575,278
(524,105)
261,250 6,631
(6,631)
3,305

この交付金事業は、株式会社なにわ花いちば(大阪市所在。以下「会社」という。)が、農畜産物の輸出拡大に向けた広域集荷環境の整備の取組として、日本産の花きの品質劣化を防ぎ輸出を拡大することを目的として、同市において、集出荷貯蔵施設を整備したものである。

農畜産物輸出拡大施設整備事業実施要綱(平成28年27生産第2393号農林水産事務次官依命通知)等によれば、交付金の交付の対象となる集出荷貯蔵施設は、農作物の集出荷及び貯蔵に必要な施設とされ、新品、新築又は新設によるものや既存施設の増築等が交付の対象とされている。また、交付対象事業費は上記の施設整備に係る工事費等とされており、既存施設の撤去に係る費用については、これらに該当しないことから、交付の対象とならないことになっている。

会社は、集出荷貯蔵施設の整備を事業費計575,278,200円(交付対象事業費524,105,000円)で実施したとして、大阪府に実績報告書を提出して、これにより交付金261,250,000円の交付を受けていた。

しかし、集出荷貯蔵施設の建設用地上にあった既存施設の撤去に係る費用は交付の対象とならないのに、会社は、その費用を交付対象事業費に含めていた。

したがって、既存施設の撤去に係る費用6,631,752円については交付の対象とは認められず、これに係る交付金相当額3,305,721円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、会社において交付対象事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、同府において本件交付金事業に対する審査及び会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

(126)
九州農政局
大分県
玖珠郡玖珠町
株式会社みらいの畑から
(事業主体)
農業・食品産業強化対策整備交付金
27、28 177,012
(163,900)
81,950 18,900
(18,900)
9,450

この交付金事業は、株式会社みらいの畑から(玖珠町所在。以下「会社」という。)が、高糖度で栄養価の高いトマトの低コスト生産の実現等を図ることを目的として、同町において、低コスト耐候性ハウス(以下「耐候性ハウス」という。)及び選果機を整備したものである。

強い農業づくり交付金実施要綱(平成17年16生産第8260号農林水産事務次官依命通知)等によれば、耐候性ハウス等の生産技術高度化施設、選果施設等の集出荷貯蔵施設等を整備する場合は、施設内で栽培される農作物や施設に持ち込まれる農作物の作付面積等に係る要件(以下「面積要件」という。)を満たすことなどとされている。そして、面積要件は、中山間地域等において施設野菜栽培の取組を実施する場合にはおおむね3ha以上であることとされている。ただし、耐候性ハウスを整備する場合は、上記の面積にかかわらず、耐候性ハウスの設置実面積(耐候性ハウス内で栽培される農作物の作付面積)が500m2以上であることとされている。

会社は、耐候性ハウス(耐候性ハウス内で栽培されるトマトの作付面積9,360m2)と合わせて選果機を整備することとして、これらの整備を事業費計177,012,000円(交付対象事業費163,900,000円)で実施したとして、玖珠町に実績報告書を提出して、これにより交付金81,950,000円の交付を受けていた。

しかし、上記のうち、選果機は、栽培されたトマトの糖度等を測定して選別するものであり、耐候性ハウスに適用される面積要件ではなく、中山間地域等において施設野菜栽培の取組を実施する場合の3ha以上の面積要件が適用されるものであった。そして、本件選果機に持ち込まれる農作物の作付面積は、会社が整備した耐候性ハウス内で栽培するトマトの作付面積である9,360m2であり、面積要件である3ha以上を満たしていなかった。

したがって、選果機に係る費用18,900,000円については交付の対象とは認められず、これに係る交付金相当額9,450,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、会社において本件交付金事業の交付対象施設の区分についての理解が十分でなかったこと、大分県及び同町において本件交付金事業に対する審査及び会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

(125)(126)の計 752,290
(688,005)
343,200 25,531
(25,531)
12,755