(1件 不当と認める国庫補助金 6,396,945円)
部局等 |
補助事業者等 |
間接補助事業者等 |
補助事業等 |
年度
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事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(128) | 九州農政局 |
長崎県 |
長崎市
有限会社橋口水産(事業主体) |
農山漁村 6次産業 化対策整備交付金 |
28 | 429,786 (311,604) |
93,481 | 21,323 (21,323) |
6,396 |
この交付金事業は、有限会社橋口水産(長崎県南松浦郡新上五島町所在。以下「会社」という。)が、自社で養殖したブリ等を加工した商品を製造し、販売することを目的として、長崎市内において、水産物加工施設を整備する工事(以下「整備工事」という。)を実施したものである。
6次産業化ネットワーク活動交付金実施要綱(平成25年25食産第599号農林水産事務次官依命通知。以下「実施要綱」という。)等によれば、交付対象施設は農林水産物等の加工・流通・販売等のために必要な建物、機器等とされており、交付金事業によらず現に実施し又は既に終了させた事業に係る経費、施設の建物内の会議室、物置部屋、更衣室等に係る経費は交付の対象とならないこととされている。また、交付の対象とならない経費の額が単体で区分できない場合には、面積等の条件に応じて案分計算等の方法を用いて、交付の対象とならない経費の額を算定して交付対象事業費から除外することとされている。
会社は、本件交付金事業について、長崎市を通じて長崎県に水産物加工施設の整備に係る建物、機器等の設置計画、規模決定根拠等を記載した事業実施計画を提出し、同県は、平成28年6月に、九州農政局へ計画内容の妥当性を協議した上でこれを承認している。そして、会社は、承認を受けた計画内容により同市へ交付申請を行い、同年7月に交付申請のとおり交付決定を受けて整備工事を実施している。その後、29年4月に整備工事の契約金額429,786,000円から交付対象外の経費及び消費税(地方消費税を含む。)を除いた311,604,787円を交付対象事業費とする実績報告書を同市へ提出して、交付金93,481,436円の交付を受けていた。
一方、会社は、交付決定を受けた内容に沿って作成した実施設計書の記載内容に加えて、実施設計書に記載されていない機器等の整備を追加して整備工事を実施していた(以下、追加して整備した機器等を「追加機器」という。)。そして、会社は、追加機器の整備費相当額16,942,972円を含めて上記の交付対象事業費を算定していた。
しかし、追加機器は、会社が実施設計書の記載内容とは別に整備したものであり、交付決定を受けた内容に含まれないものであることから、追加機器の整備費相当額は、交付金事業によらずに実施した事業に係る経費であると認められ、交付の対象とならないものであった。
また、会社は、水産物加工施設の建物の共用部分に係る整備費について、交付の対象となるか否かを単体で区分できないことから、交付対象施設に係る床面積と交付対象外施設に係る床面積の割合により案分して交付対象事業費を算定していたが、誤って、交付対象外施設である追加機器の設置に係る床面積等を交付対象施設に係る床面積に含めて案分していたため、交付対象事業費2,196,604円が過大となっていた。さらに、変更契約により減額となった電解水生成装置の整備費について、誤って、減額前の金額により交付対象事業費を算定していたため、交付対象事業費2,183,574円が過大となっていた。
したがって、追加機器の整備費相当額を交付対象事業費から除外するなどして適正な交付対象事業費を算定すると290,281,637円となり、前記の交付対象事業費311,604,787円との差額21,323,150円が過大となっていて、これに係る交付金相当額6,396,945円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、会社において実施要綱等の理解が十分でなかったこと、同県及び同市において本件交付金事業に係る審査及び会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。