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  • (5) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

国産農産物生産・供給体制強化対策事業(茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業)の実施に当たり、補助金の算定が適切でなかったもの[九州農政局](137)


(1件 不当と認める国庫補助金 3,629,804円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(137)
九州農政局
長崎県央農業協同組合茶業部会
(事業主体)
国産農産物生産・供給体制強化対策
(茶・薬
用作物等地域特産作物体制
強化促
進)
30 19,210
(19,210)
19,210 3,629
(3,629)
3,629

この補助事業は、長崎県央農業協同組合茶業部会(以下「部会」という。)が、産地の活性化を図ることなどを目的として、一定の要件を満たす茶生産者(以下「支援対象者」という。)が行う茶の改植等に対して、補助金を交付したものである。

産地活性化総合対策事業実施要領(平成23年22生産第10890号農林水産省生産局長通知。以下「実施要領」という。)によれば、事業主体が支援対象者に交付する補助金の総額は、改植支援(改植等に必要な経費の一部に対する補助)、改植に伴う未収益支援(改植実施後に未収益となる期間に要する経費の一部に対する補助)等の支援内容の区分に応じ、支援内容ごとの支援対象面積に所定の単価を乗じた額とされており、国は、事業主体に対して、これらの支援に要する経費の一部を補助することができることとされている。また、実施要領によれば、事業主体は、改植等の実施に当たり、事業実施計画において改植等を行うこととしている茶園が支援の対象となる要件を満たすことを確認し、改植等の実施後には、現地において、改植等の取組が確実に実施されたこと、実際の支援対象面積等を確認(以下、この確認を「事後確認」という。)することとされている。

事業主体である部会は、平成30年度の茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業のうち茶の改植等に係る事業について、全ての茶園において事後確認を行ったとして、支援対象者26名の支援対象面積を計120,230m2と算出し、これらに所定の単価を乗ずるなどした計19,210,379円の国庫補助金の交付を九州農政局から受けていた。

しかし、部会は、事後確認において、改植等の取組を全く行っていなかった茶園については、その面積を支援対象面積から除外していたものの、実際に改植等の取組が実施された面積が事業実施計画の面積と異なっていた茶園については、修正を行わず事業実施計画の面積をそのまま用いるなどして支援対象面積を算出していた。

そこで、実際に改植等の取組が実施された面積を確認するなどして、適正な支援対象面積を算出したところ、計97,348m2となり、前記の120,230m2は22,882m2過大となっていた。

したがって、上記の適正な支援対象面積に基づいて適正な補助金を算定すると15,580,575円となり、前記の補助金19,210,379円との差額3,629,804円が過大に算定されていて、これに係る国庫補助金相当額3,629,804円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、部会において実際に改植等の取組が実施された面積に基づき適正な実績報告を行うことについての認識が欠けていたこと、同局において部会に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。